イコライザー2/アントワン・フークア監督
昼間はドライバーをしている元特殊捜査官のマッコールは、困っている人や何か危機的な状況に陥っている人を助けずにはいられない。時には海外にまで飛んで行って解決してやろうとしているようだ。絵の才能はあるのに友人たちと麻薬を売る仕事に手を染めそうな学生を助けたりもしている。しかしながら元上司のスーザンが、何か大きな組織のトラブルに巻き込まれて惨殺されたことを受けて、一人その強大な武装グループに立ち向かうことになっていくのだったが……。
シリーズ第二弾になり、それなりのアクションのスケールアップを図る必要があったのかもしれない。いや、アップしたのかどうかはともかく、相手もこちらも、殺そうとする行動に容赦がないというか、冷酷というか、残酷である。今回は仲間割れの要素もあって、誰を信用していいかわからなくなるような場面もある。いわゆる心理戦でも、スリルのある仕掛けを組もうということだろう。血がたくさん流れ、復讐しないことには、そもそも収拾がつかないのではあるまいか。
ハイテク機器も使いこなせるのが主人公で、今回も携帯やカメラを接続して、離れた場所でも人に影響力を与えることができる。助けるのは不可能そうだが、助けられるということだ。しかしながら実際には接近戦が得意であって、たとえ武器を十分に持っていなくても、接近した戦いならお手の物だ。そのようなアクションワークに見どころが多く、近年の特撮というのは、基本的にカンフーなどの武闘の経験が十分でなくとも、力強く鮮やかな格闘場面を描けるようになっている可能性がある。設定の主人公も、今は決して若くはなく、キレキレの動きではないはずなのだが、映画のアクションとしては、かなりの動きを見せている。もっとも必ずしも強くは無くなっているように見えて、実はものすごいというギャップを楽しむものなのかもしれないが……。
戦いの中でそれなりに負傷するが、病院に運ばれる前に、ともかく何とかなってしまう。こういう流れはランボーのものを汲んでいるのかもしれなくて、痛いのだがやせ我慢しなければならない。そういうところも超人的で、しかし演出的には必ずしも嘘っぽくはない。まあ、本来ならたまったものでは無くて、そのまま不利に敗れてしまうのだろうけれど。
ともかく、哀愁と自分なりの倫理哲学をたたえながら戦うというのは、ちょうど僕らの琴線に触れるかっこよさなのは間違いがない。漫画なんだけど点数が甘くなるのは仕方ないのである。そうして、次のステージへ行くのである。まったく仕方ないのである。