モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン/アナ・リリ・アミリプール監督
精神病院に隔離されていた女が、ある日人を操る超能力を使えるようになり、監視の職員を傷つけて脱走することに成功する。夜のまちには不良がたむろしているのだが、奇矯な行動をとりながらも、何とかスナック菓子を食べながら乗り切っていく。しかしながら追手が迫っており、何とかして町を抜け出す必要が出てくる。そういう中いろいろと頓智を働かせながら、逃げていくことになるのだったが……。
精神病らしいのでコミュニケーションがうまくとれないのだが、不良の中にもいい奴がいたりして、奇妙なバランス感覚でその場をやり取りしている。結果的に様々なところに入り込むことが出来て、妙な人間関係が出来たりする。意味するところはあまりよく分からないのだが、それぞれのエピソードがちょっと歪んでいて、そういうところを楽しんでみる映画のようだ。実際妙なものを観ている気分は確かにあって、このまま一体どうなっていくんだろうという不安とともに、楽しんでみられる映画になっている。いわゆる起承転結のようなものがはっきりしていなくて、演繹法のような感じで物語が続く。警察に追われる中で、ある刑事が執拗に追ってくる。彼も彼女のことは怖いのだが、正義感が強いのだろう。果たしてこの物語は、本当に破綻しないのだろうか。まあ、それは観てのお楽しみである。