Relifeリライフ/古澤健監督
原作は漫画があるようだ。アニメ作品も。海崎は就職したものの会社との折り合いが悪く、五か月で退社、その後もニートで生活を送り、いつの間にか27歳になっていた。そういう海崎に声をかけてくる若者がいて、人生をやり直すプログラムを一年間受けるだけで(その間の経費は持ってくれる)、就職のあっせんもしてくれるとのこと。そうして薬を飲んで若返り、高校生活を一年送ることになるのだった(こういうあたりはファンタジーというか、一応SFらしい)。
そのような理由で紛れ込んだクラスは、受験はあるものの、青春まっただ中にある高校三年生なのだった。生徒たちは様々な葛藤に悩みながらも、人との関係性に悩み、非常に楽しい学生生活を送っていた。そういう中に若いとはいえ、実際は27歳というおじさん(とはいえ、若者だが)が紛れ込んで、さらに熱い青春の日々と格闘することになっていく。当然限定期間であっても、止められない熱い恋にも発展するのであるのだった。ところが彼女には、何やら秘密があるらしく…。
全体的には健全な恋愛劇。人がどのように生きるべきかというような、ちょっと泥臭いことも言ってはいるが、基本的には青春の範疇で若者が思うことの数々だ。あまり落ちこぼれはいない環境だし、本当に親密になる仲間グループが、その青春の一瞬を精一杯生きようとすることの価値を、問うているといえるだろう。
泣ける映画、ということなのかもしれないが、期間限定なので、残酷な話でもあるわけだ。いい話が、悲しい話になっていく。思いが強いほどそうなっていく。だけどSFだし、まあ、それでいいんじゃないでしょうか。