イコライザーthe final /アントワン・フークア監督
シリーズ第3作。ファイナルというのが本当なら、最終話なのかもしれない。さらに何故か舞台はイタリアである。いや、何故かというより、観終わってみるとそれでいいのだが。
またまた主人公のマッコールさんは、人助けのためにイタリアのマフィアの人たちを惨殺しまくることになる。殺し方がえげつなく描かれるのだが、何しろ相手は悪人たちばかりだから、そうしてもいい設定になっている。しかしながら今回のマッコールさんは、冒頭の格闘後にミスを犯し、かなりの負傷をうける。それを助けてくれる善良な集団があって、このまちのために、この人々のために、さらに一肌脱がなければならない使命感に駆られる。そうして国際的な凶悪なマフィアになっている組織と、またしてもほぼ一人で対峙することになる。もちろん地元の警察も、この悪の元凶を追っている国際警察も絡むのだが、要所はマッコールさんの戦いが無ければ成り立たない。殺す前に様々な科白を吐くわけだが、そういうものもなかなかに洗練されていてハードボイルドで、いいのである。
この人の生活費はいったいどうなってるんだろうというのは、ほとんどバカボンパパと同じくらいのファンタジーさだが、しかしこれだけの力のある人だから、そもそもそんなことには困らない。むしろ不条理な暴力や、運の悪さで立ち行かなくなっていく人々を助けないことには、彼らはかわいそうすぎるのである。それだけ相手が悪いと言えるのだが、その不条理が目の前にあるからこそ、マッコールさんは張り切ることもできるというものである。それを観る僕らの方も、しっかり留飲を下げることになるという仕組みだ。実にそれがよく出来た娯楽作なので、安心して楽しむことができる。三作目にして最高傑作は間違いないところであり、そうしてこれが打ち止めだということも悲しむべきことかもしれない。イタリアにも平和な日々が続くことを願うばかりである。