カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

暴力とエッチが一杯   蘇る金狼

2017-11-27 | 映画

蘇る金狼/村川透監督

 松田優作主演の懐かしい角川映画。風吹ジュンも重要な役割。
 普通の会社員勤めの男には裏の顔があって、現金輸送の人物を襲い1億円奪うなどしている。しかしこのお金、通し番号が控えられていて、おおっぴらには使えないことが分かる。そこでこの金を麻薬に替えてしまおうと考える(そっちの方が危なそうだけど)。ヤクザから聞き出した相手は大物政治家で、そういう組織に一人で立ち向かい、壊滅状態にした上に取引を成功させる。さらに勤めている会社の上層部は、何やら不正に手を染めている連中のようなのだが、手始めに幹部が女関係で弱みを握られてゆすられている。そういう情報を松田演じる男は掴んで、いろいろある中、ゆすっているお金をまんまと途中でくすねてしまう。事は解決なんかしていないので、会社側は興信所つながりのヤクザを雇い、ゆする男女を殺してしまう。その過程で味方のヤクザも返り討ちで(というか仲間の事故)死んでしまった為に、今度は直接会社の上層部自体に反旗を翻すことになってしまう。そこで何故か社員の中のボクシングをやっている松田に殺しの依頼が来て、ヤクザグループを壊滅させることになる。しかし用が無くなったら松田(演じる人)を始末しようとしたのだが、今度は会社を相手取って、やっと松田の方が反撃し、会社の大株主になってしまう。スーパーカーといわれる高価な車も手にし、社長の美しい娘とも婚約する。人生の絶頂を手にすることになったのだが…。
 お話の筋は結構無茶があって、かなり入り組んでいて時々行先が分からなくなる。これだけの事件なんで穏便に済むはずなんかないが(実際済まないけど)、そんなことは構わずトンドン前に向かって人を殺していく感じだ。アクションを交えて娯楽的に楽しい映画になっていて、やたらに女性は脱がされて胸を揉まれたりしているし、出てくる人たちにほとんど善人らしい人たちがいなくて、凄まじいことになっている。松田優作は、そっけない科白回しから、狂気の表情まで実に多彩な演技を見せる。そしてそのすべてかカッコいい。
 途中で思い出したが、僕の子供のころ茶の間でこの映画が流れて、このバイオレンスといやらしさに、子供は寝なさいという事になったのではなかったか。風吹ジュンと松田優作の朝食を食べながらのセックスシーンはなんとなく覚えていて、記憶ではもっと激しいものだったから、その印象は強烈だったのである。でも他の内容はまったく覚えてないので、やっぱり途中で寝せられたのだろう。
 強すぎる松田優作と、何か野性的な強烈な個性が光る娯楽作である。多少の時代性は感じられるものの、アクション娯楽映画の王道的な作品なのではないだろうか。
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