カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

良い人は損する運命にある   さいはてにて‐やさしい香りと待ちながら‐

2023-10-01 | 映画

さいはてにて‐やさしい香りと待ちながら‐/シアン・ショウチョン監督

 いちおう、背景はある。というか、そういうものが必要な話なのかもしれない。長い間音信不通で自分とは交流を断っていた父親が亡くなり、借金もあったが海辺の小屋を残しており、興味を抱いて行ってみる。そうしてそこでコーヒーの焙煎喫茶店を開くことにするのだった。
 そこに暮らす人というのがあって、すぐそばに旅館がある。挨拶に行くが相手にされない。しかしそこの女は男を呼び込む仕事をしているものの、子供が二人あって、今風に言うとシングルマザーで、ひねている。そこの子供たちは焙煎喫茶に興味があって寄ってくれて、お金に困っているらしい家庭の事情があって、長女がお手伝いをして給与をもらうように話が進むのだったが……。
 実際の話妙な貧困家庭とかかわりを持った移住者の店主の話、という事なんだが、学校の対応も変だし、善意の伝わり方がストレートに行かない。わだかまりと誤解が絡んで変になりそうだが、シングルマザーの男の暴力的な出来事で、二人は心を交えることになる。しかし、よく考えてみると、これこそがとんでもないことと言えて、そんなことがあって心開ける人間のほうが、圧倒的に少数派だろう。こういうところがおかしいわけで、雰囲気は分からないではないが、いい人というのは悪い人にこれくらい忖度しなければならない問題なのだろうか。というような印象しか持てなかった。台湾の感覚と日本語の語感の問題もあるのかもしれないが、そういうものが本当にうまく行った作品だったのだろうか。はっきりってかなりの失敗作だと思うが、台湾では評価の高かった作品だったらしい。やっぱり何か事情の伝わり方の違うものがあるのかもしれないという、問題のある展開を感じるのだった。あちらの人は,日本人より打たれ強い感覚があるのかもしれないですね。それだけ日本人というのは、今は弱くなっている可能性もあるのだろうか……(単に僕だけが弱いのかもしれないですけど)。
コメント
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