西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

カウボーイ ソング 44 ( エド・マッカディ 2 )

2015年04月15日 | カウボーイ・ソング
  
Ed McCurdy  西部の歌を歌う 
米国盤 Elektra Records EKL-112 Songs Of The Old West sung by Ed McCurdy  
( 日本盤 日本ビクター SJET-8100 開拓者の魂 / エド・マッカーディー )
 
(1)Sacramento (2)Hoosen Johnny (3)Great-Granddad (4)Trail To Mexico (5)Sally, Let Your Bangs Hang Down (6)Buffalo Skinners (7)State Of Arkansas (8)Jesse James (9)The Cowboy's Dream (10)Little Old Sod Shanty (11)Brown-Eyed Lee (12)Chuck A Little Hell (13)The Dying Cowboy

今回はとっても地味~なレコードでアメリカ西部のことを歌ったフォーク歌手エド・マッカーディー( )のもの。以前に彼のレコードは一度載せています・・・・やはり西部&カウボーイのことを歌った地味なアルバムでした、参考にしてください。ただ、私のような団塊世代の人間 ( それ以前の先輩方にも ) は子供時代に映画やテレビ( Rawhide など )、漫画などで西部劇があっていたので多少はイメージとしてのアメリカ西部を想起することができるんですが、案外こうした経験がこの手のレコードを聴く時に助けになる、つまり興味をつなぎとめる指針になるし参考になると考えています。まったくこういう経験がないと今日のようなレコードは退屈でしょうがないかも知れません・・・・・だからアメリカ西部的なドラマや本がほとんどなくなってしまっている現代の若者達にはきびしいジャンルかなぁ-とは思います。それでもひとりでも興味を持ってくれる人が出てきたらそれで私の役目は good です。 

カウボーイソングとか西部の歌というのは労働歌であったり物語性の要素が強かったりするのでメロディが単調であっても歌詞の内容で聴かせるものが多いと感じています、歌詞を丁寧に見て訳していくと特にそう感じます、有名でもない一般の人の名前や土地名が出てくるのも特徴。 
さて、内容ですが全曲エドのギターにエリック・ダーリン()という人のバンジョーが伴奏をつけて素朴そのものという趣きです。 
 
(1)Sacramento は1848年に始まったゴールドラッシュ時代に あっという間に町が出現したカリフォルニア州サクラメントとその頃に一攫千金の夢を求めて押し寄せたあらゆる人々のことを歌った曲。ポコポコスタイルのバンジョーと自身のギター伴奏で歌われる 
(2)Hoosen Johnny は19世紀中頃に西部移住への基地になっていたイリノイ州で 西部からのいい情報が来るたびに歌われた歌だとか 
(3)Great-Granddad はギターの弾き語りでを伴奏に歌われる・・・・解説によると西部開拓に寄与した多くの先達達のことを代表しているような内容 
(4)Trail To Mexico は Berry Me Not On The Lone Prairie ( 駅馬車 )と同じメロディの曲・・・・あるカウボーイが結婚の約束をしてメキシコへキャトルドライブへ行くが帰ってみたら娘は金持ちの男と結婚していた・・・・・失意のうちに I'll stay on the trail till the day I die と歌われる
バンジョー 
(5)Sally, Let Your Bangs Hang Down は演奏だけの曲になっていますがカントリーではローズ・マドック&マドックス・ブラザーズの歌で有名です 
(6)Buffalo Skinners  
 
(7)State Of Arkansas には面白い逸話が解説されています。アーカンソー州は一時は合衆国の中ではもっとも原始的な(primitive state)ところと思われていたようで、こんなことも移住してきた労働者の不満が口伝えで周辺に広まっていったせいで歌われたような歌だろうとのこと・・・・・実際 歌詞の中にも ”I never knew what mis'ry were till I came to Arkansas ”というところがあります・・・・教科書的な知識では決して得られないアメリカ史の一面がわかって面白いなと感じます(smile)。ポコポコ調のバンジョーを伴奏に国中を放浪する Stamford Barnes なる人物がアーカンソーに寄った際の出来事がちょっとコミカルに語られる物語・・・・・歌い方にちょっと往年のフォーク&カントリー歌手ジミー・ドリフトウッドに似た雰囲気があります 
(8)Jesse James は西部の無法者兄弟フランク&ジェシー・ジェイムズのことを歌った歌ですが、一般に知られている歌とはメロディ、歌詞ともに異なっています。 解説によると兄弟は人々の間ではあたかもヒーローのようにみなされていますが実際は cold-blooded killer and robber だったとのことが書いてあります。 

(9)The Cowboy's Dream ( カウボーイの夢 )はイギリス民謡の ”My Bonnie Lies Over The Ocean ” のメロディで知られている親しみやすい曲ですが、アメリカに渡ってからカウボーイソングになったという例です。”Last night as I lay on the prairie And looked at the stars in the sky I wonder if ever a cowboy       Would drift to that sweet by and by~ ”と ポコポコと弾かれるバンジョーと本人のギターを伴奏にオーソドックスに歌われています。素朴でなかなかいい雰囲気 
(10)Little Old Sod Shanty は ”Little Joe The Wrangler ” というカウボーイソングや”The Little Old Log Cabin in the Lane"と同じメロディをもった歌です。 解説によると、南北戦争後にネブラスカ、カンザス、アイオワが開放され その地に家を建てて5年間住み、政府に18ドル払えばだれでも160エーカーの土地をもらえるという条件で定住する開拓者達に解放されたとのこと。彼等が作った 夏は涼しく、冬は暖かいというシンプルな家のことを sodbusters とか sod shanty と呼ばれたとのこと。 そこでの生活ぶりを歌った歌で、バンジョー( ブルーグラススタイルのバンジョーではない ) と自身のギターで素朴に歌われる。 
 
(11)Brown-Eyed Lee は自身のギター弾き語りでうたわれる。1899年テキサス州ベル郡で実際に起こった cowboy unhappy in love の歌 
(12)Chuck A Little Hell はバンジョーだけの演奏のみの曲 
(13)The Dying Cowboy は Bery Me Not On The Lone Prairie と同じメロディの曲で故ジョン・フォード監督作の西部劇 ”駅馬車 ” の主題曲にも使われたこともあるのでご存知と思います。ギターだけの弾き語り。 
 
私ははじめアメリカ盤LPを中古で買ったのですが、東京に行った時に中古屋さんに日本盤を見つけてびっくり、こんなものまで日本で出されていたんだ-と知って1960年代初期の頃の日本でのフォークブームのすごさを改めて知ることになったのでした。日本盤は曲順を替えてあります・・・・このレコードがアメリカでCD化されているかどうかは不明
コメント
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