風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「へうげもの」

2013-04-06 | 読書
珍しくマンガ。
安土桃山時代~江戸時代の武将としてより
茶人としての方が有名な古田織部が主人公の物語。
だが実際の主人公は利休だろう。
古田は常に宗匠である利休を意識し追随しているうちに
いつの間にか様々な波に飲まれていくのだ。
それでも実直な古田は右往左往しながらも
(信長や秀吉の周りで大名物に目を奪われながら)
自分の茶の世界を作り上げていく。

茶の世界を通してこの時代を描いているのだが
本能寺の変の黒幕や、明智光秀、家康の人物像など
「おっ」と思うような推理や歴史解釈だ。
マンガだけに笑いを取る場面も多いのだが
全体的にはシリアスな歴史物語。
茶の作法や茶事の雰囲気、名物についての知識、
そして武将たちの性格把握や歴史上のエピソードなど
この作者の知識は半端じゃない。

ところで茶に関することでへ~と思ったことが2つ。
帝の前での秀吉の濃茶点前をはじめとして
何度かの点前のシーンで
茶入から茶杓を使わずに直接茶を茶碗に入れていた。
そんな作法があるのかな?
それから、古田が利休の待庵に招かれたシーン。
2畳の待庵では、亭主の横を見る形で客が座ると思ってたが
そのシーンで古田は床を背にして貴人席に座り
亭主である利休とも向かい合う形で座っていた。
ははぁ、2畳だとこう座るのか・・・と目からウロコ。
勉強になる。

3日に盛岡駅で1服目を買ったらハマってしまい、
すぐ追加で買った5服目まで一気読み(笑)
まだ続く。

「へうげもの」山田芳裕:著 講談社文庫
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