世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

灘五郷の最も東にある西宮郷のある阪神西宮駅の南側は、酒造工場の中に民家がある感じがする酒屋さんだらけの町です

2023-10-08 08:00:00 | 日本の町並み
 1970年開催の万博会場となった場所は、当時の大阪市長の先見性ゆえに再開発という名の自然破壊を免れて緑豊かな万博記念公園となっています。大阪万博は日本最初の万国博覧会でした、日本が最初に参加した万国博覧会は1878年に開かれた博覧会でパリでの開催3回目でした。ちなみに、エッフェル塔は、その11年後に開かれたパリ4回目の万博でした。日本の最初に参加したパリ万博では日本村が作られ、その中で日本酒が展示されたそうです。今回は、その時に展示された日本酒の銘柄の白鹿酒造がある灘五郷の一つの西宮郷周辺を紹介します。

 
 
 西宮郷は、阪神電鉄の西ノ宮駅から南に海に向かって広がっています。パリ万博に出展の白鹿酒造は西寄りで、十日えびす福男で有名な西宮神社の海より1kmほどにあります。東西に走る道路の臨港線を挟んで、北側に白鹿クラシックというレストランと博物館の酒造館、南には博物館の記念館と旧辰馬喜十郎邸があります。旧辰馬邸は明治中期に建てられた疑似洋館で、神戸の居留地に建てられた洋館に似せて作られたそうで県指定文化財に指定されています。白鹿酒造は典型的な同族経営の会社で、現在も状況は変わりません。それに一族から西宮市長を二人も輩出し、西宮一帯を支配しているように見えます。

 
 
 白鹿クラシックを北に行くと、同じ白の付く酒造会社の白鷹の緑水苑があります。なかなか趣のあるレストランのようです。

 
 
 白鷹の工場はさらに北側にあり、通り越してちょっと東に入ると宮水発祥の地で石碑が建っています。現役の宮水の井戸群は、1ブロック東の宮水庭園で、白鹿、大関それに日本盛りの井戸があります。

 
 
 その日本盛は、宮水庭園の南側の通りを東に行き用海筋を南に1ブロック行って名前も酒造通りを東に150m程進み、通りの北側に工場とレンガ館があります。レンガ館は、なかなか趣があって内部には売店やレストランがあります。なぜか、吹きガラスの工房もあって、体験プログラムもあるようです。

 
 
 元の用海筋に戻って阪神西宮駅は北へ1km程ですが、線路を北側に通り越して海清寺に寄り道します。14世紀に創建の禅寺で、境内には県指定天然記念物の樹高35m程もある大楠がそびえています。西隣には西宮市役所、北側には阪神国道、南には阪神電車が走るという喧噪な環境ですが、なぜか境内は静まり返った別世界の様子です。

 宮水は西宮の水が転化したもので、宮水発祥の地埜付近に湧出する酒造りに適した塩分を少し含む硬水です。カルシュウムやカリウムなどのミネラル分が麹や酵母の栄養となって発効を促進し、アルコール度数のやや高い辛口の男酒を生むとされています。一方、伏見や広島の西条などではミネラル分の少ない軟水でお酒が作られ、発酵が穏やかで飲み口の柔らかい女酒を生むといわれています。この軟水から極限まで不純物を取り除いたものが超純水と呼ばれるもので、ITを支える半導体素材のシリコンウェハの洗浄などで欠かすことのできない存在です。ところで、メートル法では4℃の純水1リットルの質量を1kgと定義しました。しかし、よくよく調べてみると、純水といえども微妙にばらつきがあり、パリにあるキログラム原器の質量を1kgとしました。しかしこれとても不変ではなく、最近になってプランクの定数を使った定義に改められました。


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