世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

現在もタケノコの名産地となっている安芸の小京都、竹原

2007-01-21 17:49:42 | 日本の町並み
 松竹梅の二番手は竹です。竹林の名所は嵯峨野をはじめ数多くありますが、今回はあえて地名に竹の付く竹原を紹介します。

(ちなみに、写真の竹は都内の六義園のライトアップされたものです)

 竹は、アジアが原産で日本では帰化植物とされています。木と草との両学説があるようですが、どちらとも違うような気がします。成長が早くって一日に1mも伸びたという記録もあるようです。ただ、この成長の早さと、地下茎で増えてゆくため、野放しにすると厄介な植物のようです。最近では、建材などとしての竹の需要が減って伐採される量が減り、竹林が荒廃し増殖して周辺に被害を及ぼしているといわれています。大きくなった竹は、極めて硬く、通常の鋸では歯がたたなく、伐採するのも並大抵ではないそうです。

 ところで、竹原市の名前の由来は、この一帯に竹の原っぱがあったという説と、竹原氏が治めていた土地との二つの説があります。広島県の中央部で瀬戸内海に面しており、JRの最寄り駅は呉線の竹原になります。山陽線から外れたために、昔ながらの街並みが残され、安芸の小京都と呼ばれる落ち着きをもっているのでしょう。現在の呉線はローカル線で列車の本数も少ないのですが、戦前は呉市に軍港があったために、山陽本線と同格程度の重要さだったようです。このため、レールなどの規格が本線並で、本線しか走れないC62などの重量のあるの蒸気機関車が走ることができました。昭和40年代に電化の波に押されて姿を消していった蒸気機関車が最後まで見られる線として鉄道お宅にとって有名な線でした。

 竹原は、製塩や酒造で栄えた町で、現在でも街中に造り酒屋の杉玉を見かけます。竹の地名からタケノコも名産品の一つとなっているようです。JRの駅から北東方向に600mほど、本川を渡ったあたりから川に平行に北宝庫に伸びる通りには、白壁に虫篭窓のある家並みが続いています。

この通りがまっすぐではなく、微妙に曲がっており、歩いてゆくと次にどんな町並みが続いているんだろうと期待を持たせます。

 通りの北端近くには頼山陽の父である春水の生家が残されています。陽明学者頼山陽は、春水が大阪に居住していた時に生まれたのですが、郷土の生んだ偉人として通りの入り口近くに銅像が建っています。

 竹の持つ軽くて強靭な性質は、金属や石油製品などの工業製品に負けないところがあるように思います。天然素材は、品質が均一ではないという欠点がありますが、電化製品などの筐体に利用できないものでしょうか。プラスチックと違って、廃棄しても自然に戻るとエコロジカルな点もいいですよね。製品寿命が短く大量に廃棄される、携帯電話やノートパソコンの筐体に使えないでしょうか。


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