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斑鳩町は、奈良県の西の端で、少し西は大阪府の八尾になります。飛鳥時代からの古い歴史のある場所ですが、大阪のベッドタウン化が進んで、JRの法隆寺駅周辺は都市化が進んでいます。ただ、ちょっと駅を離れて法隆寺のほうへ歩くと、まだまだ田んぼが続いて、白壁の土蔵や土塀のある町並みが残っています。
斑鳩の三つの塔は、JRの駅に近いほうから、法隆寺の五重塔、法輪寺の三重塔そして最も東北にあるのが法起寺の三重塔です。再建されたほうリンジの塔を除いて国宝に指定されています。もともと塔は、仏舎利を収める建造物でしたが、そこにお寺があるよ!というシンボル的な意味合いが強いように思います。斑鳩の塔は、周りに高い建物が少なく、遠くから塔の存在がわかります。
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法隆寺は、駅にも近く、周辺にはお土産屋を含めて民家が押し寄せています。五重塔で塔身が高いこともあって、家並みの上に塔の上部が覗いているのが、意外と面白い構図です。また、あまり訪問者は居ないようですが、西円堂の小高い丘から見る、回廊の向こうにそびえる五重塔もシャンとしています。
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法隆寺西院から、夢殿のある東院を曲がって、弥勒仏の中宮寺を過ぎて北に行くと法輪寺です。法隆寺の築地塀と疎水沿いの道や、民家の土塀沿いの道を抜けて、田んぼが広がるうねうねとした道に続きます。
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法輪寺は、西と北に小高い森があって、その麓にぽつんと建っている感じです。その森のそばには白壁の土蔵が見え隠れをしていて、点景になっています。三重塔は1944年に焼失して、1975年に薬師寺西塔の再建も手がけた宮大工棟梁の西岡氏により再建されたものです。他の二つの塔に比べて塔身が太くて、ちょっと軽やかさに欠けるきらいはあるようです。
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法輪寺から田んぼの中の道を東に進むと法起寺の塔が近づいてきます。この遠くから徐々に大きくなってくる景色が、最も斑鳩的な風景かもしれません。細身の三重塔の軽やかな姿は、田畑に囲まれた小さな集落の中心にお寺があって、さえぎるものがありません。法隆寺と法輪寺とは、金堂が東、塔が西と言う配列ですが、法起寺の金堂跡は塔の西にあり、配列が逆になっています。
法輪寺の旧三重塔は落雷による火災で焼失しましたが、落雷は雲に帯電した静電気が、地上などのとの間で放電する現象です。その電圧は最大で10億ボルト、電流は50万アンペアにも達するそうで、瞬間的とは言え大きな破壊力を持っています。雷は別格として、この静電気は、ITを支える半導体の分野でも厄介者で、人体に帯電した静電気の影響を受けます。人体の静電気は、数千ボルトに達することもあり、これが放電してICを壊したり、誤動作させたりします。静電気は、電気集塵機に利用されたりしていますが、雷の巨大なエネルギーも利用できないものでしょうか。