世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

フランス第2の都市リヨンは、路面電車も町の建物もどこかしゃれた落ち着きを見せています(フランス)

2013-05-05 08:00:00 | 世界遺産
 中国の登封とインドのジャンタル・マンタルには、巨大で精度の高い天文観測施設が残されていましたが、天体の動きを時計の文字盤で表すものが天文時計です。各地の教会などに大きな天文時計が残っていますが、それらの中の一つサンジャン教会が建っているリヨン歴史地区を紹介します。

 リヨンはフランス南東部の内陸都市で、パリから役400km、TGVの南東線で2時間くらいで着いてしまいます。フランスでパリに次ぐ2番目の160万の人口を擁する都市なのですが、どことなく落ち着いた感じの町並みです。市内を走る路面電車も、真っ白のしゃれたデザインで、フランスで多く走っている路面電車の中でも特筆ではないでしょうか。市街地の中央部を南北に縦断する形で東にローヌ川、西にソーヌ川が流れており、市の南部で合流しています。世界遺産の歴史地区は、西を流れるソーヌ川の西側に広がる町並みと、その背後にあるフルビエールの丘にある遺跡や建物群です。

 
 天文時計のあるサンジャン教会は、12世紀から15世紀にかけてロマネスクとゴッシックの2つの様式で建てられ、ソーヌ川のすぐ西側にあります。背の高い身廊の先のバラ窓のステンドグラスも綺麗ですが、幾何学模様の新しいものも見ごたえがあります。教会の前の広場からは、丘の上にそびえるフルビエール大聖堂の姿は、ちょっと絵葉書的過ぎるのかもしれません。訪問したときには、子供達が集まって、空に向かって手に持っていた風船を飛ばす光景に遭遇しました、なかなかきれいでした。

 

 フルビエール大聖堂へは、麓からケーブルカーで簡単に登ることができますが、途中下車をすると古代ローマ劇場の遺跡があります。夏の間は、遺跡を利用してコンサートや演劇が上演されますが、そのための設備が、ちょっと異質な感じです。頂上の大聖堂からは、2つの川が流れるリヨンの町並みが、ちょうど良いくらいの距離に望めます。

 
 
 麓に戻り、サンジャン教会から北に絹織物で栄えたクロワ・ルースと呼ばれる町並みを歩くと、通りと通りとを結ぶ秘密の通路のようなものがあります。トラブールと呼ばれ、織物のデザインを盗まれないよう人目を避けるたて作られたそうですが、入り口がはっきりとしません。偶然にも、子供達の集団が見学に来ていて、その集団に加わらしてもらい見学できました。そして、歴史地区の端には、マリオネット博物館もあり、いろんな顔をした人形たちと目が合ってしまいます。

 
 
 リヨンは歴史地区だけでなく、オペラ座や市庁舎それに美術館、市立病院などなど見事な建物が、現役で使われ、古いものを壊して新しい箱物を建てようとする国の町並みとは風景が違います。市街地に隣接するPark de la Peteという公園も手入れが行き届いて、咲き誇るバラが見事でした。

 フランスの誇るTGVが最初に走り始めたのが、パリとリオンの間で1981年のことです。日本の新幹線から17年遅れてのスタートでしたが、当初から東寺の新幹線を上回る営業速度での登場でした。新幹線との違いは、電車方式(動力分散)の新幹線に対して、機関車方式(動力集中)ですが、その後登場のドイツのICEは両方式が採られているようです。開発途上国が高速鉄道を導入するときに、複数の国から「いいとこ取り」をして建設することもあるようですが、これってちょっと怖い感じです。高速鉄道は、レールの上を運転手の判断だけで走るという代物ではなく、システム全体をコンピュータが監視して制御するものです。寄せ集めのシステムでは、どこかで不具合が発生しそうな気がしてなりません。


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