世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

「おはなはん」の舞台になった町には冨士山もありました、大洲

2006-11-12 13:53:33 | 日本の町並み
 源氏物語は、平安朝時代に多数の女性読者を引き付けた、といってもマスメディアの無かった頃ですから、恵まれた階層の女性が対象であったかもしれません。マスメディアの発達した現代では、テレビドラマが多くの女性ファンを引き付けるようです。これらの中でNHKの朝ドラは新しいヒロインを生むことでも有名になりましたが、なかでも1966年放送の「おはなはん」のヒットは顕著でした。この「おはんはん」の舞台になったのが愛媛県の大洲です。

 大洲市は松山と宇和島との間、以前に紹介した内子町の西に位置します。町の中を肱川が流れ、夏には鵜飼いも行われるようです。肱川が大きく蛇行するあたりに明治時代の面影を残す町並みが残り、「おはなはん」のロケも行われたことから、おはなはん通りの名前が付いた通りもあります。

 ブームの頃は多くの観光客が押しかけたようですが、現在では静かな町並みに戻っています。どうも、日本人はブームにすることが好きなようで、朝ドラでモデルとなった時には、わーっと人が押し寄せますが、1年も経たないうちに忘れ去られるようです。ブームが去った後に、元の状態に戻ればいいのですが、景観を害するようなお土産屋の残骸などが残ったりするのが困ります。

 おはなはん通りを突き当たると臥龍山荘が肱川の崖の上に建っています。江戸時代に建てられ、幕末まで藩主の別荘として使われ、明治時代に実業家の手で再構築されたそうです。川の流れや対岸の冨士山(とみすやま)を借景とした緑豊かなお庭を散歩すると気持ちが和みます。

 その冨士山は、日本一の富士山とはウ冠とワ冠という字の差はありますが、こちらもなかなか存在感のある山でした。もちろん標高では1/10以下と比べようもない320mですが、5月に訪れると中腹から上がつつじの花に覆われている景色が楽しめます。麓から見ると、緑の山ではなくって、そこにはピンクの山がありました。

 テレビなどマスメディアに取り上げられるというのはたいへんな数の人々を動かす効果があるようです。ある場所がニュースなどで取り上げられただけで、週末にはどっと人が押しかけるようで、筆者も時としてその一人となることがあります。同じ内容のプログラムが同じ時間に一斉に配信される放送型情報配信が中心のためでしょうか。このところ光ファイバの家庭への普及が加速していますが、映像情報も情報の享受者が選択的に選ぶことができる放送型から通信型へシフトしていくと、人の動きが平滑化されるかもしれません。


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