世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

農家の庭先の柿の実が日本の原風景を感じさせます、丹波市

2006-11-19 13:51:16 | 日本の町並み
 紅葉に加えて柿の実が成っている風景も秋を象徴するものの一つではないでしょうか。斑鳩の里で塔を背景にした柿の写真は定番のようなところがありますが、ここで取り上げるのは兵庫県の丹波地方です。福知山線の柏原駅の西側に広がる高原、紅葉でも有名な丹波市の青垣、山南、氷上あたりを紹介します。

 柿は中国が原産で西欧ではあまりなじみの無いものですが、南蛮貿易を通じて日本からヨーロッパに伝えられイタリアなどで栽培されているようです。渋柿のイメージから柿を嫌う人が多いようですが、ビタミンも豊富でカロチンやカリウム、それに渋みの原因のタンニンは血圧降下作用もあるそうです。柿の渋ですが、そもそもすべての柿は渋柿で、タンニンが固まって不溶性になったものが甘柿になります。甘柿といえども渋の原因のタンニンを含んでいますが、舌に感じないだけなんですね。かつては柿渋は防水塗料として番傘などに塗られましたが、番傘自体が死語になりつつあるようです。

 瀬戸内海からから日本海にまたがる兵庫県の中央部、京都府と接しているところが丹波市です。いくつかの町が合併して2年ほど前に誕生した市ですが、福知山線の駅周辺を除いて山と田んぼが連なる伸びやかなところです。秋に訪れると、農家の庭先のたわわに実をつけた柿の木が日本の原風景を思わせます。山々が平地からまるで古墳のように立ち上がっているせいか、ハンググライダーに好適な場所としても名が知れているようです。この山の連なりもなかなか伸びやかで気持ちの良い風景を作っているように思います。

 山々が農地に迫る麓には、いくつものお寺があって、足の便が悪いせいか全国レベルでは名を知られていませんが、紅葉の見事なお寺も多いものです。高源寺、圓通寺、石龕寺などが比較的有名で、紅葉の季節にはツアーのバスも運行されてにぎわうようです。しかし、紅葉の季節以外に公共の輸送機関で訪れようとすると、極めて不便で人と会うこともほとんどありません。

 このうち高源寺、圓通寺はともに14世紀の創建で傾斜地に石段で上って本堂にたどり着きます。

高源寺は新緑の頃にも訪れましたが緑のトンネルが素敵でした。

 石龕寺の開基はなんと聖徳太子で6世紀のお寺です。仁王像のある山門からの竹林の中に紅葉が点在するプロムナードが見事でした。

 柿の葉に含まれるビタミンCは飛びぬけて多く、一説では乾燥した柿の葉100gにはビタミンCが1000mgつまり1g含まれているといわれています。なんと重量パーセントで1%にもなる事になります。もっとも柿の葉を丸ごと食べるのは難しく、お茶などで飲用するので、摂取できる量はずいぶんと減るでしょうが。このビタミンCは還元剤として体の酸化を防いでくれるといいます。体が酸化するといろいろな病気もとになると言われます。電子回路も、特に接点まわりが酸化すると接触不良になって動作不良になります。接点を金メッキするなどしてトラブルを防止していますが、ビタミンCで予防できないでしょうかね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。