世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

バラ園の他に、温泉やゴルフ場まであるお寺、霊山寺とその界隈

2006-07-02 14:25:58 | 日本の町並み
 見事なバラの花をあちこちで見かけます、バラの名所も多いように思います。今回はこれらの名所の中から霊山寺とその周辺を紹介します。 

 バラの花は園芸分野だけでなく文学や美術の分野でも取り上げられることも多く、人類との付き合いの長さを感じる花の一つのように思います。香水の原料としても一般的ですが、1gの香油を採取するのにバラの花が数千個も必要なのだそうです。ちなみにバラの香油の70%ほどが琴欧州のふるさとのブルガリアで生産されていることは意外と知られていないかもしれません。

 霊山寺は近鉄奈良線の富雄から富雄川に沿って南に2kmほど行った小高い丘の上にあります。バラ園はお寺に上る麓に広がっていて、5月にはバラ会式といって仏様にバラをお供えする儀式もあるようです。

国宝の本堂や谷を挟んだところに建つ重文の三重塔などお寺らしい建物のがあるかと思えば、バラ園のほか黄金殿、温泉それにゴルフ場までを持つマルチ寺院です。

 三重塔は檜皮葺で軒の出入りもほどほどあって、比較的バランスのよい塔のように感じます。また、内部の極彩色の壁画の保存もよいのですが、修復後の塔への彩色と壁画の極彩色とが、黄金堂の派手さと呼応して異質さを感じてしまいます。

ただ、古色に慣れている寺院建築ですが、建った当時は純色に近い彩色がなされていたのですが。

 富雄駅を挟んで霊山寺とは対象位置の北側には、長弓寺があり、駅でバスを乗り継いで、富雄川沿いに北へ南へ行ったり来たりの散歩になります。バス停からバス道を少し歩くと寺の門がぽつんと建っていますが、近くにお寺の雰囲気はほとんど感じられません。

小川沿いにしばらく歩くとやがて長弓寺の境内に出ますが、この道は竹やぶがあったり築地塀があったりでなかなかいい感じだった様に思います。こちらの本堂も檜皮葺の屋根が美しい国宝ですが、訪れる人も少なくって、そっと目立たないように建っているって感じがします。

 バラにはとげがつき物で、とげの無い品種もありますが、「美しいバラにはとげがある」のいわれのようにバラの茎には形や大きさ、それに色についてもさまざまなとげが生えていて取り扱いに注意が要ります。生物にとって不要なものは無い、という言に従えば、バラのとげにも生えている目的があるはずです。おそらく、バラにとって有害な動物などを寄せ付けないという役割なのでしょうか。IT分野におけるセキュリティ機能も、過剰で面倒で余分な機能に思われる時もあります。もちろん、安全を考えると必要な機能でしょうが、人間が考えた機能は、果たして自然が備えたシステムほどよく考えられているのでしょうか。


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