世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

函館の湯の川への寄り道に、ガイドブックには載っていませんが、重文建築やヴォーリズ建築が見学できる遺愛学院はお勧めポイントの一つです

2021-09-26 08:00:00 | 日本の町並み
 三大夜景の一つの函館の夜景や函館山のふもとに広がる坂の町の紹介など函館が続きましたが、今回も函館の紹介です。前回と前々回は函館駅から南西に行く市電に乗車しましたが、今回は逆に北東の函館空港方向に乗って湯の川温泉まで行ってみます。ただ、この路線は思いのほか、立ち寄りポイントが少ないように思います。



 
 
 
 最初の立ち寄りポイントはおなじみの五稜郭です。五稜郭は幕末に函館開港に伴う要塞の必要から西欧風の城郭が作られた五稜郭です。しかし、明治維新の後には本来の目的ではない新政府への不満分子により占拠され函館戦争の舞台となった場所でもあります。五稜郭は美しい五角形をしていますが、50年以上も前の学生時代には、その五角形は認識できませんでした。大仙陵古墳(仁徳天皇陵)もそうでしたが、地上からでは、堀があることだけで全体の形はとても分かりません。このっような不満を解消するために作られたであろう施設が五稜郭タワーで、展望台からははっきりと五角形が認識できます。大仙古墳にも同類の施設が欲しいですが、宮内庁が反対するんでしょうね。五稜郭の中央部あたりには、函館奉行所が再建されています。元の建物は、函館線層の後に解体され、2010年に現在の建物が再建されたようです。

 
 
 
 次は函館駅と湯の川都の中間ぐらいの杉並町電停で下車します。電停のすぐそばに門の奥に美しい並木が続く学校が気になりました。調べてみると重文などの学舎のある学校でした。堂内で最も歴史のある遺愛学院というミッション系の中高の女子高です。女子高は構内への入場が制限されているところが多いのですが、外観だけなら自由に見て回ることができました。重要文化財の学舎は2棟あって、一つは正門を入って突き当りにある本部の建物ですが、残念ながら工事中で囲いの中でした。もう一つは、門からは最も奥にあるホワイトハウウスと呼ばれている旧宣教師館で、こちらは周りをぐるっと見学できました。登録文化財も2棟あり、一つは講堂で、ミッション系の学舎の作品が数多く残るヴォーリズの設計で、北海道でヴォーリズ建築が見られたのは驚きでした。もう一つは謝恩館で木立の向こうに見え隠れしていた黄色の建物だったように思います。

 
 
 そして、終点の湯の川です。湯の川温泉は北海道三大温泉の一で、アクセスの良さもあり多くの観光客を集めているようです。15世紀ごろに一人の木こりが発見し関節痛が治癒したお礼にと薬師如来を祀ったという起源の伝承があり、薬師堂の跡湯倉神社です。神社の鳥居の外に温泉発祥の碑が建てられています。函館線層の時には、榎本武揚や傷病兵が湯治に来たそうです。この神社には狛犬ならぬ狛兎の石像がありました。

 五稜郭をタワーから眺めると歪みのないきれいな五角形をしていて驚きます。おそらく作った人々は、このきれいな五角形の実物を見ることはなかったのでしょう。望遠鏡と測量板で作図を積み上げる測量技術は、現在のようにGPSやレーザビームを使い、コンピュータグラフィックで作図をする手法とはくべ物にならない精度でしょうが、熱意によって作ってしまったわけでしょう。もっと驚くのは、江戸時代の浮世絵で見る鳥観図で、作者は絶対に実物は見ていないはずですから。

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