世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

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弟子の設計した鳥取の仁風閣は、師匠が設計した旧岩崎邸と似ていました

2017-04-09 08:00:00 | 日本の町並み
 東京国立博物館の紹介が続きましたが、今回は博物館の表慶館を設計した、片山東熊の作品のある鳥取を紹介したいと思います。東熊は、ジョサイア・コンドルの初代の4人の教え子の一人ですが、東京駅などの設計をした辰野金吾に比べて知名度が低いようです。赤坂の迎賓館はあまりにも有名ですが、その迎賓館の設計者で、他にも宮殿風の建物を数多く手がけています。博物館関連では、京都と奈良の旧本館、そして伊勢にある徴古館など、そして鳥取城跡に建つのが今回紹介する仁風閣です。


 仁風閣は、後の大正天皇が皇太子の頃に山陰を巡行の折に宿泊所とした建物です。旧鳥取藩主が、鳥取状跡に別邸として、フレンチ・ルネサンス様式で建てられたものです。ふれんち・ルネサンスは、ロアールの古城群で見られる様式のようで、片山東熊の作品では京都の博物館の旧館がそのようです。前回紹介した、東京の表慶館はネオ・バロック用紙ですが、片山東熊はフランスのデザインが好きだったのでしょうか。




 池泉式回遊庭園の宝隆院庭園に面した側は、2階にサンルーム、1階はテラスになっています。転記が良かったので、このサンルームからの眺めは気持ちが良かったです。このデザインはどこかで見たことがあると思ったら、東京の湯島にある旧岩崎邸でした。旧岩崎邸は、ジョサイア・コンドルの設計ですから、弟子の東熊の設計も似てくるのでしょうか。内部は、旧鳥取藩と藩主の資料が陳列されて公開されています。建物の後方の小高い丘の上には、その旧鳥取城が石垣だけを残し、一帯は山の名前を取って久松公園となっています。

 鳥取というと三大砂丘の一つの鳥取砂丘を外せません。仁風閣も砂丘へのバス路線の途中にあります。さて三大砂丘と言われますが、残りの2つは諸説あり、どうも鳥取は別格のようです。学生の頃に鳥取を訪れると、鳥取の三大日本というのを聞きました。日の丸自動車、日本交通そして日本一の砂丘だそうです。日本人って三大が好きなんですね。



 さてその鳥取砂丘のそばに、砂の美術館なるものがあります。砂で作った巨大な彫刻の美術館ですが、素材が砂なので、恒久的な作品保存は無理で、毎年テーマを決めて作品群が展示されます。メインの展示は体育館のような建物で、中国の兵馬俑遺跡のような感じがします。その中に巨大な建物や人物の群像などが作られています。屋根で覆われているので、雨で砂が崩れないようになっていますが、乾燥してもダメなので、適度に水を撒いているようです。筆者が訪れたときは、「砂で世界旅行・東南アジア編」でしたが、砂で作られたアンコール遺跡の巨大な塔が、しっかりと建っていました。屋内以外にも小ぶりの作品が並んでいて、こちらもなかなかユニークなものがありました。

 砂の彫刻は氷の彫刻ほどではありませんが、保存性は無くって、刹那的な芸術の一種かもしれません。空間芸術の分野である彫刻が、時間芸術的な面を持つのかもしれません。逆に、本来は時間芸術であった音楽も、録音と再生の技術が進んで、時間に縛られなくなってきています。もちろん、いくら録音技術が進んでも、鑑賞するためには時間の束縛からは逃げられまえんが。録音された音楽は、好きな時に効くことができて、名だたる演奏家の演奏が最良の状態で聴けるというメリットがあります。コンピュータで制御された録音技術は、SPで録音された名盤から雑音を取り除いてリメイクできます。有名な指揮者は、録音の1音だけを差し替えることをしたそうですが、音楽の流れを妨げるやり方は納得できません。


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