世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

アルビのサント・セシル大聖堂よりサン・サルヴィ聖堂の回廊や町並みの方に親しみを感じます(フランス)

2017-04-16 08:00:00 | 世界遺産
 仏教とヒンドゥー教の遺跡のアンコール遺跡、そしてルーマニア正教の修道院群があるスチャヴァと続きました。今回は、フランスの中でローマカソリックが権勢をふるう都市がアルビです。世界遺産は、サント・セシル大聖堂などの大規模な建築だけではなく、歴史的な街並みも対象になっています。

 このアルビは13世紀ころには、カソリック聖職者の堕落に反対するカタリ派の一部のアルビ派の信仰の拠点でした。その後、宗教と国王とが連携した戦争で制圧され、北フランスとローマ・カソリックの権力と文化に汚染されてしまったそうです。そういえば、その後の14世紀には南フランスのアヴィニョンにローマ教皇庁が移転していますから、南仏までローマ教皇の権力に侵されていたわけです。

 
 
 
 アルビは、フランス南部のトゥールーズの北東50kmほど、列車で1時間足らずですが、筆者が訪れた時には線路の補修とかで代行バスでは2時間近く。市街地の北側をタルン川が蛇行して流れ、南に突き出した川沿いにベルビ宮殿があります。ベルビ宮殿はロートレックの美術館としても使われていますが、川沿いに作られた庭園やタルン川の眺めが綺麗です。

 
 この、宮殿まで駅から歩いても15分ほど、途中の町並みも、なかなか趣があります。

 
 
 
 サント・セシル大聖堂はベルビ宮殿の手前で、13世紀から16世紀にかけて作られたゴシック建築です。レンガで作られた聖堂としては世界一の規模で、114m(奥行き)×35m(幅)で高さも40mあるそうです。身廊のそばにそびえる鐘楼は高さが78mあって、かなり威圧感があります。内部には、膨大なイタリア絵画で飾られていて、天井には最後の審判が描かれています。

 
 さらに、駅寄りにはサン・サルヴィ聖堂が町並みに飲み込まれるように建っています。入り口は、ビルのアーチの階段を上ったところだったような気がします。回廊が美しく、ロマネスクとゴシックが入り混じった構成なのだそうです。ただ、なんとはなく廃墟的で、中庭は学生のたまり場の雰囲気です。

 アルビ派は、聖職者の堕落を糾弾しているにもかかわらず、十字軍から攻められています。いつの時代にも、聖職者と称する人間どもの権力は、暴走して困りものです。そもそも、宗教というもの、立ち上がりの頃は、信者の心を掴むために、宗教らしく振舞うのですが、信者が増えると、権力欲にとらわれるように思います。当初から、権力目的の新興宗教もあるようにも感じます。どうも、人間という弱い存在を利用して、権力を手中に収めるようです。弱い人間は、何かに頼り、やがては、その存在無くしては生活できなくなる習性の悪用です。最近の、スマホ依存症を見ていると、この弱さとしての同じような現象を感じます。


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