衆参同時選挙が回避され、10月の消費増税が確定したことで、憲法改正が遠のいたことは確かである。各種の世論調査の結果からも、目前に迫った参議院選挙において、自民党と公明党は過半数を維持するのが精一杯だろう。1人区では苦戦するとみられている。平成26年12月に安倍首相が再登板してから、これまで国政選挙で4連勝したのが異常なのである▼代り映えしない政治に一波乱起こすエネルギーを秘めているのは、右では桜井誠氏の日本第一党であり、左では山本太郎氏のれいわ新選組である。思想的には対極に位置するが、二人とも熱狂的な支持者がおり、国民の不満の受け皿になるのではないだろうか。今のところは、朝日新聞が宣伝を買って出たこともあって、山本氏の方が知られている。しかし、ネットに限ってみれば、桜井氏に軍配が上がる。二人とも政策に問題があるとしても、政権を担うわけではなく、あくまでもプロパガンダとして、通用するかどうかなのである▼激動の時代にあっては、極右極左が歴史の主役に躍り出て、予想もしなかった事態を惹起させる。冷静な判断など吹っ飛んでしまうのである。国民の多くは、6年前に中核派の力で当選させてもらった山本氏よりも、行動する保守運動をリードしてきた桜井氏の方に親近感を抱くのではないだろうか。現在のところは二つの政党とも嘲笑の対象であるが、形勢は簡単にひっくり返る。侮ることはできないのである。
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