ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

滝野の伝説-穂積の乳池伝説-(1)

2006年08月02日 14時21分06秒 | Weblog
乳池伝説

 加東市穂積(旧滝野町)に、「乳池伝説」が伝わっています。まず、その伝説を紹介しましょう。

 大昔のこと、毎朝この池から数十羽の鳩がとびたちました。ふしぎに思った村びとがこっそり見ていますと、鳩たちは池の水を口にふくんではとんでゆきます。
 ふと気がつきますと、池の水が乳のように白くにごっているではありませんか。鳩たちは日岡山(加古川市)までrとんでゆき、神功皇后さまの子ども(応神天皇)に飲ませているのでした。皇后さまに乳が出なかったからです。その後、この池の水は、乳の出のよくない母親たちにききめがあるとよろこばれました。かつては、乳房の絵をかいた絵馬がたくさん奉納されていました。
                  滝野町『そこが知りたい滝野の歴史』より

穂積といえば、「播磨国風土記」(8世紀はじめ)に出てくる穂積の里を今に伝える古い地名です。
 穂積の里は旧社町と滝野町にまたがる広い地域であったと考えられています。その古い穂積に神功皇后の伝説が伝わっているとは・・・。
神功皇后といえば、三韓征伐で知られる第14代仲哀天皇の皇后であり、15代応神天皇の母です。今から千数百年も前のことですが、征伐中に応神天皇がお生まれになり、鳩は乳のかわりに泉の水を運んでいた、という伝説です。

 写真は、乳池のある一画を写したものです。「池」という名から、もっと大きなため池を想像していたのですが、実際にはこの一画の中にある小さな泉のことだったのです。生い繁る草をかきわけて入ってみると、真ん中あたりにくぼんだところがありました。しかし、水はありませんでした。
 この一画に祠があり、中には色あせた絵馬が入っていました。訪れたのは17年の5月頃だったと思いますが、だれもお参りしているような感じはありませんでした。

 さて、この小さな泉と祠にまつわる乳池伝説をもう少しさぐってみたいと思います。次回・・・。
  

 
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