ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

乳池伝説(2)加西にも・・・

2006年08月04日 04時23分48秒 | Weblog
乳池さんを調べる

 17年の初夏、滝野東小学校の6年生2人と乳池さんを調べに出掛けました。泉と祠を調べたあと、近くに住んでおられる方に「乳池さん」について聞いてみました。すると、こんなお話が聞けました。

 戦後、粉ミルクが普及するまでは、赤ちゃんにやるお乳が出ない人や出にくい人にとって、「乳」は切実な問題でした。乳池さんの泉に行って水を汲み、その水でご飯を炊いて食べると乳がよく出るとか、その水でお粥をつくり、汁を赤ちゃんに飲ませたとか・・・。あるいは、乳池さんの祠にお祈りをして乳がでるようにお願いしたとか。とにかく、乳池さんの言い伝えは地域の人々の間で確かに生きていました。

 乳池さんが人々から忘れられたのは、やはりミルクの普及が影響しているようです。乳が出ない、という切実な問題が解消し、神様に祈る必要がなくなってしまったからでしょう。

 この乳池の言い伝えとよく似た話が、隣の加西市(谷町)にあり、「乳の井」の言い伝えとして伝わっています。話の内容は穂積の乳池さんとほとんど同じで、鳩が泉の水を口にふくんで、応神天皇のお乳として運んでいた、というものです。

 加西と滝野に同じような伝説が・・・。ひょっとしたら他にもあるかもしれません。写真は穂積の乳池のほとりにある祠です。
 
 
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