地元の方からいただいた古い教科書の中に、今から100年前の大正14年(1924)発行の『新訂 中學修身教科書 三巻』があります。著者は東京帝大教授・東京高等師範学校教授の吉田精致、東京寶文館発行,126頁です。
その第七課に「読書の五楽」があり、目に止まりました。人間には、時々休息して、元気を養う必要があるが、最善の娯楽は読書であるとし、読書には次の5つの楽しみがあるといっています。
知識を得るのは一樂、徳を磨き得るのが二樂、趣味を養い得るのが三樂、慰めを得るのが四樂、独り楽しみを得るのが五楽であると。
人生は100年に満たない短いもの。そこから寝食睡眠の時間、まだ幼少の時間を引き去ると30年。この間に如何に見聞を広めるといっても限度がある。しかし、本を通じて、古今東西の知識、芸術、文学等々知ることができる。そのために大切なことは良書を選ぶこと、自分の理解力に合ったものを選ぶこと、多読より、少数の良書を精読することを挙げています。
本離れが進み、本(活字)を読まない人が増えた、町から書店が消えた、など本を読まなくなっていることが問題となっていますが、あらためて、読書の大切さを考えてみたいものです。
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