ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

昭和16年-入営応召(帰還)者ノ歓送(迎)等ニ関スル要領② 

2009年02月01日 06時10分38秒 | Weblog
 昨日に続いて、昭和16年(1941)12月、社町役場から出された「入営応召(帰還)者ノ歓送(迎)等ニ関スル要領」(「自昭和十七年一月至昭和十九年拾月 常会協議事項綴 社部落常会長」)の紹介をします。


(ホ)入営・応召者ニ対スル家族、知己等ノ附添ハ一切之ヲ行ハザルコト
(ヘ)入営・応召者ニシテ軍服ヲ所持シアルモノハ之レヲ着用シ奉公袋(所持者)ハ之ヲ携帯スルモノトス、又襷(赤襷等)ヲ掛ケ或ハ列車内等ニテ旗等ヲ振ルヲ禁シ、長髪者ハ之ヲ刈ルコト

二、遺骨ノ帰還ニ方リテハ時ニ感謝ト敬虔ノ念トヲ以テ精神的ニ之ヲ迎フルコト

三、入営、応召或ハ帰還者ニ対スル面会ハ軍ノ許可アル場合ニ限リ所定ノ方法ニ依リ之ヲ行フコト、但シ此ノ場合ト雖モ特ニ用務ノアル者以外ハ勉メテ之ヲ差控フルコト
(イ)許可ナキ場合ニハ絶対ニ面会ニ行カザルコト
(ロ)部隊出発、帰還ノ行軍途中ハ営外ニ於ケル演習ノ途中絶対ニ兵ト面談セザルコト

四、入営(応召)若ハ帰還者ノ郷土出発(帰還)前後ニ於ケル諸行事ハ総テ精神的ニシテ虚礼ヲ避ケ物資節用ノ趣旨ニ則リ且防諜ニ注意スルコト
(イ)入営(応召)若ハ帰還者ノ家ニ於ケル幟、旗、提灯等ノ植立ハ之ヲ廃スルコト
(ロ)多数数集合シテ行フ祝宴及祝物、贈答ハ之ヲ抑制スルコト
(ハ)入営、応召、帰還ノ際ニ於ケル挨拶状ノ印刷発送ハ之ヲ抑止スルコト

五、以上ノ如ク定ムルモ軍ノ必要ニ基キ臨時変更スルコトアリ


以上です。昭和17年1月6日の社部落常会では、その協議事項の二番目にこの要領が挙げられ、その抜粋が印刷されて配布されています。大東亜戦争開戦直後のことであり、出征兵士がどのように見送られていったのか、帰還者がどのように迎えられたのかを知る資料です。
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