ツリフネソウ(釣船草、吊舟草)
<学名:Impatiens textorii Miq.>
ツリフネソウ科 ツリフネソウ属 一年草
北海道~九州の低山から山地にかけての水辺などやや湿った薄暗い場所に多く、
キツリフネとともに群生していることも多い。
高さ40~80 cm程度。茎はやや赤みを帯び、節がふくらむ。
葉は互生し、長さ5~13cm、幅2~6cmの菱状楕円形から広披針形で
細かい鋸歯がある。
撮影日 2020.10.03: 群馬県
花期は7~10月 (山地では 8月頃から、低地では 9-10月)。
花序は茎の先端付近の葉腋から斜上し、赤紫色の3~4 cmほどの花を
釣り下げるように多数咲かせる。
花序の茎には紅紫色の突起毛がある。
花弁3個、萼片3個からなる。萼片も紅紫色で花弁のように見え、
下の1個は大きく袋状になり、その先端は細長い距になって、
クルリと巻き、この長く筒状になった距の部分に蜜がたまる。
花弁は下の2枚が大きくて黄色の斑点がある。
雄しべは5本で、花糸は短く、葯が合着して雌しべを包み込んでいる。
花とその造りの記事 ⇒★
果実は長さ1~2cmの紡錘形の蒴果で、熟した果実にふれると
ホウセンカなどと同様に裂けて種子が弾けて飛び散ります。
実と種の記事 ⇒★
花が帆掛け船を釣り下げたような形をしていることが
名前の由来と考えられている。
稀に白い花の、シロツリフネ(f. pallescens)や、花軸の下部に毛のない
ナメラツリフネソウ(トガクシツリフネ)と呼ばれる品種も
見られることがあります。
ツリフネソウ属の花は普通葉の下に咲きますが、ツリフネソウはその例外で
葉の上に咲きます。