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Campion, ("My sweetest Lesbia, let vs liue and loue”)

トマス・キャンピオン
(「いちばんかわいいレズビア、生きて愛しあおう」)

いちばんかわいいレズビア、生きて愛しあおう。
りっぱな人たちはぼくらのことを責めるけど、
気にしたら負けだから。空の明かり、大きな星たちは
西に沈んで、そしてまたすぐに生き返る。
でも、命の小さな明かりが沈んだら、
ぼくたち、永遠の夜を寝てすごすことになってしまう。

もし、みんながぼくのように愛のなかに生きたなら、
剣や鎧が血に染まることなんてない。
寝てて太鼓やラッパでたたき起こされる、なんてこともない。
愛の戦いだったら話は別だけど。
命の明かりを無駄にするなんて、ただの馬鹿。
わざわざ痛い思いして、永遠の眠りを求めるなんて。

いずれ死んでぼくの人生が終わる、ってとき、
棺桶のまわりに友だちが集まってきて悲しむのはいやだな。
むしろ、たくさんの恋人たちにおしゃれしてきてほしい。
そして楽しく遊んで、幸せなぼくが入る墓をにぎやかにしてほしい。
そして、ね、レズビア、君がぼくの小さな命の明かりを消すんだ。
そして、ぼくの永遠の夜を愛の冠で飾ってほしいんだ。

* * *
Thomas Campion
(“My sweetest Lesbia, let vs liue and loue”)

My sweetest Lesbia, let vs liue and loue,
And though the sager sort our deedes reproue,
Let vs not way them: heau'ns great lampes doe diue
Into their west, and straight againe reuiue,
But soone as once set is our little light,
Then must we sleepe one euer-during night.

If all would lead their liues in loue like mee,
Then bloudie swords and armour should not be,
No drum nor trumpet peaceful sleepes should moue,
Vnles alar'me came from the campe of loue:
But fooles do liue, and wast their little light,
And seeke with paine their euer-during night.

When timely death my life and fortune ends,
Let not my hearse be vext with mourning friends,
But let all louers rich in triumph come,
And with sweet pastimes grace my happie tombe;
And Lesbia close vp thou my little light,
And crown with loue my euer-during night.

* * *
カトゥルス5番の翻案。元は同じ詩であるJonson,
"To Celia" ("Come, my Celia, let us prove") とは
まったく別のオチとなっていることに注目。

このCampionの作品は、まだペトラルカ的な純愛の
枠のなかで書かれている。死ぬのが愛されている女性
(ラウラ、ベアトリーチェなど)ではなく詩人である、
という点がおそらく新機軸。

* * *
英語テクストは次のページより。
http://www.luminarium.org/renlit/lesbia.htm

* * *
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