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『唯物論哲学入門』 その1

2009-04-15 20:54:27 | Weblog
 『改訂新版 唯物論哲学入門』(森信成著 新泉社 1972年初版 2004年改訂新版)                  

 漫画家の青木雄二氏(2003年逝去)は、「現在の日本の大衆の中に蔓延している『無力感』を克服し、はっきりとした『世界観を得たい人』にとって、『最良の一冊』である。」と本書を評価している。

 本書は、著者の森氏が1971年7月に亡くなった直前の1971年5~6月にかけて開講された「大阪労働講座」での講演記録であり、口語体のため内容に比べて大変読みやすい。

 「第1講」では、唯物論と観念論の区別を説きます。観念論の本質は非合理主義であり、唯物論の科学的見地の重要性を示します。

 約40年前の文章ですが、私の学生時代と同時代であり、「フォイエルバッハ論」(フリードリッヒ・エンゲルス著)などを輪読したことが思い出されます。ソ連・東欧型社会主義が崩壊した現在から見ると本書の時代的な制約は免れず非常に教条的な理論に感じますが、当時は「ここら」が入り口だったと思います。

 従って、私の脳髄の中心部は、1970年代(史)的唯物論が大きなスペースを占め、その後様々な事象によって上書きされていますが、本質的なところはあまり進化していないように感じます。

 しかし、「ようやく物事がわかるようになるのは、60歳を過ぎてからだ。」という文書を先日どこかで読み、これからなのだなあという気持ちになっています。



 定額給付金の申請をしました。12,000円で俺の心が買われてたまるかという気持ちと、そんな硬いこと言わずにもらえるものはもらって美味いものでも食べようという気持ちの狭間で揺れ動いています。

 このこと自体が既に、現世のご利益を追求して止まないナンミョーホーレンゲー教の呪縛に罹っているのでしょう。さて、使途を如何にすべきか?


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