晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『藤田嗣治と愛書都市パリ』

2012-11-04 17:08:51 | Weblog

 『藤田嗣治と愛書都市パリー花ひらく挿絵本の世紀―』(北海道立近代美術館 2012.9.15~11.11)

 気が付けばもう11月、少し前までは中々暑さが和らがないなどと言っていたのに、僅かの期間の紅葉があっという間に終ってしまい、今は道路一面に濡れた落ち葉が冷たい雨を浴びながら冬の準備で片づけられるのを待っている。10月は忙しかった。本州方面への出張もあり、休日にも何かしらの営業が断続的に入り、完全休養日は1日のみ。久しぶりに、本日と明日は連休。

 慌ただしい日々に追われ、何がしかの自分も忘れてしまっていたが、ここでしっかり取り戻したいと思っている。

 本日は、道立近代美術館で開催されている『藤田嗣治の挿絵展』を鑑賞した。走り込みで身体を徹底的にいじめるのも、根を詰めて本を読むのも精神の休養になるが、少し趣を変えて抽象の世界に浸ってみた。

 第1次世界大戦前のパリで暮らす藤田がフランスの小説家たちに数多くの挿絵を提供していることから、かの地での藤田の交友関係がわかる。また、画家にとっては、挿絵を描くことがチョットした副収入になったのであろうか。振り返ると、いつ頃からか今の小説には挿絵が無いということに気付く。かつて生沢朗という挿絵作家がいたことを思い出した。

 藤田の自画像や写真から、氏のオカッパ頭のような髪型は到底戦前のこの国になじむものではなかったと思う。第2次世界大戦前に帰国、しかし何作かの戦争画を書いたということで、戦後に戦争責任を問われ、再びパリへ。氏の画風は戦争からはかなり遠いものと思うが、皮肉なことに、氏にとって、返す返すもこの国は生きにくい国だったのではないか。

 展示は、第1部で「藤田の挿絵本」が集められているが、第2部は、「エコール・ド・パリの挿絵本とその時代」となっており、同時代の他作家のコレクションが並んでいた。第2部の会場の見学者から「興ざめ」との声があり、足早にその部分を後にする人も多く、藤田作品だけでよかったのではないかと感じた。ただ、うらわ美術館の所蔵品が多く展示されていて、私の中では、これから行ってみたい場所のひとつに加わった。

 

するより落ち着いて安価で美味しいと思う。 昼食は、京王プラザ札幌ホテル1階、「カフェ・ドュエット」でランチ。月毎!に替わるメニューで11月は、「北イタリア漁師町の伝統料理 魚介の煮込み リヴォルノ風」。となりでバイキング

 


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