晴走雨読

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『反原発の思想史』 その2

2012-03-19 20:33:29 | Weblog

 札幌市北区北7条西7丁目「ダイニング いま家」でハヤシライス。今風のこだわり野菜が素材に使っている。私は、特にこだわりのないハヤシライス。北7西7には、昔住んだことがあり、懐かしい一角。ここの建物は確かパン屋さんだったかな。隣はバナナばかりを買った果物屋さん。反対側は「銀星食堂」

 

 『反原発の思想史 冷戦からフクシマへ』(絓(すが)秀実著 筑摩選書 2012年刊』 その2

 その1で書いた、「2011.6.13志位提言において初めて「脱原発」へ路線を変更」を比較的近くにいる日共党員に確認をしたら概ね肯定していた。科学的社会主義の党是では、原子力エネルギーを資本のもとではなく、近代合理主義的科学技術によって自分たちが民主的に管理すれば安全は確保できる。原子力の平和利用を限定付きとはいえ認めていた。ただし、軍事的な転用には反対の立場であった。それが福島の事故が発生してから転換、6月になって俄かに脱原発を主張し始めた。何と言う大衆迎合主義、情況主義か。

 本書にもどって、著者は、「反原発運動は、大きなディレンマを抱えている」(P335)という。この国において、新自由主義政策は、安価な労働力を求めて旧第三世界諸国へ工場移転を進める。このことは、この国における電力消費軽減の方向を示しているから、「脱原発」の口実となる。一方、新自由主義政策は格差・貧困・失業の増大に帰結する。

 反対に、第三世界では工場建設による電力需要の増大と原発の増設を伴う。また、この国で「脱原発依存」を主張する政治家が、旧第三世界への原発輸出に積極的なこととは整合する。

 図式すると、この国での脱原発=節電=工場の海外移転=失業増(格差社会)=新自由主義=原発輸出

 第三世界での製造業の増加=電力需要=原発依存

 逆のスパイラルでは、反貧困=格差社会の是正=雇用の維持=産業の確保=電力需要=原発依存社会

  著者の論理では、「脱原発」と「反貧困」の運動は論理的に両立しないのである。


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