晴走雨読

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蓮池薫 『拉致と決断』

2015-07-13 20:23:57 | Weblog

 昨日、札幌での安保法制反対集会で元自衛官が登壇したというニュースが流れた。そして、今日はその方のインタビューが流れた。

 僕は、法制反対派の方が先に禁を破ったと捉える。

 今が戦前よりマシなのは軍人が前面に出てきて政治的な発言を控えていることだ。表に出てきている中谷防衛大臣、田母神某氏などは、現職軍人ではなく政治家である。遂に歯止めが外された。それも安保法制反対派から。これから軍人の政治的な発言が目立ってこないと良いのだが。

 

 『拉致と決断』(蓮池薫著 新潮文庫 2015年刊 新潮社 2012年刊)

 本書を3年前に読んだことを忘れていて、読んでいる途中でも気づかず、感想を考えているうちに、頭に浮かぶ文章が何だか以前に書いたことがあるような記憶が甦り、調べてみるとこのブログで2012.10.24に取り上げていた。

 本書は、蓮池氏は当事者ゆえに知りえる真実をできる限り記そうとしているが、未だに拉致されている人たちや家族に差しさわりのあることは書けないため、慎重に筆を運んだことが感じられる文章になっている。

 著者の筆力、描写力は優れており、文章からは、もし自分がその場面に直面したときどのような決断をするのだろうかと問いかけがある。自分は、絶望と思われる情況に置かれたとして、それに適応しながら、その中でベストの選択をしていくという超人的な精神力を長期に渡って持続できるだろうか。

 今、戦争を現実化しようとする政治の動きがあるが、戦場において生命の危険に直面したときに、蓮池氏のような冷静な決断ができるであろうか。

コメント
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