晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『レッド1969-1972』第1巻

2014-04-30 20:24:10 | Weblog

 私にコミックが理解できるようにしてくれた作者は、安彦義和氏、他者(ひと)より遅れに遅れて、その世界に少し興味が湧くようになった。

 

 『レッド Red 1969-1972』第1巻(山本直樹著 講談社イブニングKCDX 2007年刊)

 連合赤軍事件を題材とした実録タッチの劇画。登場人物の絵には①~⑮までの数字が人物の亡くなっていく順番として付されている。また、話の区切りが付く毎に登場人物には、「○山○郎 この時23歳 埼玉県■■駅で逮捕されるまであと351日」「×川×子 この時21歳 群馬県山中で死亡するまであと279日」などと説明が付されている。

 作者も私たち読者も皆、現在から過去を見ているので、青年たちのその後の運命については承知している。知らないのは当事者だけである。

 誰しも、現在から未来を予測することはできない。自分が、明日どういうことに遭遇するのか、あと残された時間が何日あるのか。誰にもわからない。

 著者の運命論的な表現方法は、「お前の運命は私だけが知っている」というような、読者に通常とは違った意味の妙なワクワク感をもたらす。また、それは登場人物に対する優越感でもある。と同時に、著者の連赤事件全体への批判への視座となっているのではないか。

 第1巻では、青森県■■大学の学生が登場するが、そのうちの一人は、安彦義和氏だと言われている。ちなみに安彦の出身大学は、弘前大学である。

 迷いに迷った末についに全8巻を買ってしまった。

 

コメント (2)
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