山ヤのゲンゴロウ

山登りと自転車、ログハウスなど趣味にいつて

TLT取り付け

2012年01月04日 | 山の道具たち
 新しい板は中々カッコ良いです太いネ!カミさん羨ましい~な。

先日、フランスから個人輸入したスキーそしてビンディングを取り付けました。
細かい作業ですが、大工での造作に比べれば単純な作業であり、以前もビンディング取り付けもやったことも有って難なく簡単に出来ました。

カミさんに買った新しい板、K2 CoomBack174cm に ビンディングのDynafit TLT Radicalの取り付けです。付属するスキーブレーキは軽量化の為に外しました。リーシュ(足に括りつける流れ止め)を付ける予定です。
まず、ビンディングの箱には、紙のテンプレートが含まれていなかったので(これは、ユーザー自ら取り付けるのを防ぐ為に入っていないらしいです)、ビンディングを携えコンビニで裏面のビス孔のコピーをとり、自宅に戻りノギスで孔の中心の寸法を測定し、昔使っていたドラフターで製図をします。これで、オリジナルの紙製のテンプレートの出来上がりです。(本来なら金型冶具が有ればこんなややこしいことしなくても良いのですが、自分で取り付ける場合はこのようなDIYでやらなきゃいけません!)(ボクの場合、紙でテンプレートを作りましたが、吸湿等による伸縮の誤差は考えなくても良いと思います。穿孔やビスの斜め打ち等による誤差の方がそれより勝るので)
 
 差し金を使って中心線を出しています。         中心線、ブーツセンターに合わせ紙製のテンプレートを貼ります。(テンプレート欲しい人あげます)

 
 ビスの長さをノギスで測ります。         先行穴、そして取り付け穴を穿ちます。板を貫通させないようにネ!浅すぎると滑走面が隆起します!

次に、板にドラフティングテープを貼り、差し金等を用い中心線を毛書きます。この時、板のサイドカットは弧を描いた形状であるので中心を出すのに留意します。(さほど誤差は出ませんが)次に、板の中央付近に刻印されたブーツセンター(物によっては印刷)から自分好みの位置にセットバックさせて(ボクは10mmテール側)、ラインしトゥープレートにブーツを嵌めセンターに合わせボルトの位置を決め、後は紙のテンプレートを中心線に合わせて、紙の上からそれぞれのビス中心位置にポンチングします。ボクは錐(キリ)でポンチングしました。

その後、ポンチングの位置を錐でもみ、Φ2.0㎜の先行穴、次いでΦ3.5、d:9㎜の穴を穿ちます。もちろんドリルストッパーを用い貫通しないようにし、更に深さゲージを木の端材で作り、正確を期します。当初、ボール盤を使用しようかと思いましたが、深さが9㎜程度ならハンドドリルで用いても誤差範囲内に収まります。

ます、ビスで7割程ねじ込みタップを刻みます。(本来なら切削工具で刻むのが理想ですが、そんなもの無いので冷間圧造みたいにねじ込みネジ山を刻みます。その時、板の表面はむくれ上がるので、予めカッターで表面を平滑にする為に切り取ります、(ワッシャー状のものが切り取れます)次いで面取りもしておきます。こうしてビス穴の穿孔は全て終わりです。(これで全ての行程の80%は終了です)
 
 表面が浮き上がったところをカッターで切り取り、さらにテーパー座グリしておくと更に良し    カミさんの兼用靴を嵌めてみます。バッチシ!!でしょう。

穴が全て穿ち終わったら掃除機で屑を吸い取り、ビンディング取り付けですが、内部は木製であり、水の侵入により腐れで割れたりするのを防ぐためにエポキシ接着剤を流し込みます。(2液混合タイプ)これは、今まで山岳会の仲間で何度か山行中に腐った板が折れて辛うじてエッジで繋がっていたというのを目撃し、水の浸入をシャットアウトする為。また山行中に弛んだビスがあることを知らずに歩き通し結局気がついた時にはスキーのネジ山がバカになっていたという経験から、これら道具の不備によりある意味生死が伴う山スキーでのこれらトラブルを防ぐ為にもビス穴に接着剤を流し込む事にしています。

接着剤を爪楊枝等で流し込みイザ締め付けです。中心線からずれないか、少しずつ締め付け調整しながら締めます。締め付けトルクが決まっているのかも知れませんが、トルクレンチみたいなものは無いので感覚で締めつけます。額の血管が浮き出るくらいの力で締め付けない事かな。そして重要な事は、接着剤が硬化した後は緩めることも締めつける事も出来ないので「一発勝負」です。なるべく硬化時間の長い接着剤を使った方が良いです。(修正効くので)

ビンディングを取り付けた後は実際に兼用靴を取り付けセンターに来ているか再度確認し終了です。ボクの場合、中心線から約1㎜の範囲内に収まりました。ヤッタネ!
 
ボクの兼用靴も取り付けてみました。これでカミさんに借りれるぞ~。        金属パーツで出来たTLTの堅牢さに機能美を感じます。


最後に仕事から帰って来たカミさんに査収してもらい、お褒めのお言葉を頂戴しました。

今日の作業を振り返ってみて、今回は個人輸入で仕入れた板とビンディングを自分で取り付けたのですが、日本で購入した場合サービスや僅かの金額で取り付けてもらえる事が有ります。でも、大袈裟に言えば自分の命を預かるこの道具について、他人に付けてもらうのはちょっと気掛かりでもあります。バイトの兄ちゃんが適当に付けているのか又は職人気質の人が付けているのかは分からない。ボクなら時間がかかってもイイから自分の持てる技術をフル活用して付けてみたいと思ったのです。今までビンディングの取り付け部分の不良で購入元にクレームを言い直してもらった事が有り嫌な思いもした事が有るし、ビンディングを取り外した際に見た時、丁寧な仕事をしていないなと残念に思ったときもある。でも自分が取り付けたのであれば納得がいくし、取り付ける過程が楽しい!!。そんな事も有り自分で取り付けるようにしています。
ぶり返すけど、山岳会の人の中には板の長さを縮めるために金鋸で切断する強者(つわもの)までいます。
 
 1999年から愛用しているTLTと比較してみた。これまで全くトラブルの無いこのビンディングにはボクは絶大の信頼をおいています。ちなみに板は一度交換し、換装し直し使っている寿命の長いビンディングです。当時はディアミール一色の世界でしたが、ボクは頑なにこの性能を信じていました。

スキーのビンディングって有資格者(毎年更新)が取り付けなくてはいけないらしいのですが、これって認定講習っていうだけのものなので、自分で使う分には全く問題ないなと思っての取り付けです。
コメント (5)
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