山ヤのゲンゴロウ

山登りと自転車、ログハウスなど趣味にいつて

涙の120km完走!

2009年09月20日 | 自転車2

 ゴール地点での愛車 commencal supernomal05  ※時計はゴール時間から経過しています

セルフディスカバリー アドベンチャー・イン・王滝2009(9月)に参戦して今帰ってきました!
この大会は、MTB120km、100km、42kmの距離を木曾檜の産地である王滝村の山に縦横無尽に張り目ぐされた林道を走るレースです。
最高峰の120kmは、100kmを7時間以内で完走した者だけに権利がもらえるわけで・・・。ボクはこの資格を得ているので昨年からエントリーしていました。
昨年は苦渋を舐めさせられ、CP3でアウトとなったわけですが、今年のボクは違いました。

9/19に車にMTBやキャンプ用具を積んで王滝に向けてGO!です。当初職場のH田先輩と行く予定でしたが、勤務の関係上どうしても行けない事となった為、独り旅です。白鳥ICで高速に乗ったのですが、高山方面は強烈な渋滞・・・岐阜方面へ迂回し土岐~中津川と中央道に乗り19号線で王滝に向かいます。昔登った南木曽岳を眺めながらのドライブです。会場には2時頃到着し、受付を済ませゼッケンをMTBに付けてキャンプするとこを探していると、ブログで王滝120kmで知り合ったLJさんに声をかけられビックリ!!LJさんの近くでキャンプすることに決定!
今年の王滝はいつものコースでは無いが、台風等の自然災害による林道の崩壊も無く、いきなり会場でコース変更の通知が無かったのが良かった。でもいつものコースより3kmほど長い。夜は競技説明会&パーティーでビールを数本ゲットし購入分を含めてパスタを作って宴会!星空がきれいだし、心配していた台風の風も弱まりだした。朝3時起床しおにぎり、大福餅をたらふく食べて、ビタミン剤、ミネラル分を多めに食べトイレにGO~!スタート地点にMTBを置き、スタートの6時まで寛ぐ。
 
 夕暮れ前の御岳山 松原公園より                      ボクの愛車です。ピカピカだけど翌日にはドロドロです

 スタート地点に置かれたボクの愛車!この後300mにわたって1000台くらいのMTBが置かれています。

5:50スタート地点にライダーが並び神主の祈祷をうけ、御岳に向かい皆で2礼2拍手1礼の儀式をし、6:00いつもの気の抜けたような「プワ~ァン」といった号砲が鳴り響く。さぁ今から120kmの旅が始まるんだ!最初の5kmは先導車の後を付いてパレードラン!沿道の村民の方々が応援に来てくれていた。そしていつものガタガタの未舗装路を走ることになる。ボクはつとめて先頭集団とは言わないが早い集団に付いて行くように心がけペダルを踏む。
20kmを過ぎ下りを攻めているとき、後タイヤから蒸気機関車のように一定の周期で「シュッ・シュッ・・・」と小気味良いリズムで音がする。まさか!?と思い停止すると、リアタイヤからパンク防止剤の白い液体がタイヤから噴き出している。「ゲゲゲ~パンクだ~」チューブレスにパンク防止剤を注入しパンク対策をやってきたつもりだが、これだけ大きな穴が開いたんじゃ仕方ない。残念だが路肩に停車し、すぐ傍を走るライダーを横目にタイヤを外しザックからチューブを取り出しタイヤに入れ、空気入れで空気を入れ再スタート。かなりテンションが下がった。
堰堤を過ぎ再び登り始めると自転車屋の店長がパンク修理をしていた。「もっちゃんタイヤチューブちょうだい」と言われ、もう一本の予備を渡し再び登る。滝越へ向け下り再びきつく長い登りにはいるとリアタイヤからのトラクションの感覚が変わってきた。変だと思いタイヤを掴むと空気圧が足りない。「ガーン!またパンクかえ~!」予備チューブはさっき店長に渡したのでパッチ貼って直そうと思いタイヤを外していたら店長が再び後ろから登ってきた。「もっちゃんまたパンクか!?さっき貰ったでもう無いやろ。登ってくるライダーに声をかけて聞いてみるで」と言い登ってくるライダーに声をかけ、そのうちの一人から新品チューブ1本を貰った。さっそくチューブを組み換え空気を入れ再スタート。この時点でかなりやる気が減退したが、CP1まで頑張る。そして3時間00分前後に到着。そしてリアタイヤを握るとまたパンク・・・今日は何のために走ってきたんだ・・・と自分を責め情けなく惨めな気持ちでいっぱいになる。もう、ここでリタイヤした方が楽になるかなと思った。でも昨年リタイヤし、今年もこんな事で、まだ規定時間オーバーしていないうちに自分の判断でリタイヤするのか!?そんなんじゃあかんやろ~といった風に頭の中で悪魔と神様がこっちゃ~来いと囁いている。
こんな不運に遭遇しつつもやるっきゃね~と思い(神様が勝った)チューブを取り出し空気を入れ集中しパンク穴を探す。微妙な小さい穴が開いていた!サンドペーパーで患部を擦りゴム糊塗ってパッチ貼って、リムに収めリム打ちしないよう3kg程度に若干を多めに空気入れて修理完了。
パンク修理を済ませ走りだすと何故か心の底から何かこみ上げてきた。「畜生!!!」「何クソ~」といった気持が全身全霊を突き動かしたような感じです。「ここまで来たし、リタイヤなんて絶対いやだ。絶対規定時間内にゴールしてやる!」といった気持ちが湧き上がりました。
リアタイヤを庇い下りではスタンディングで走ります。そして今回は膝の調子も良く、適宜カーボショッツ等の携帯食糧を摂りながら、100kmの選手を抜きながら、そして惨めな自分自身を励ましながら走ります。無難にCP2を通過。パンクは大丈夫そう。休憩せずにゴールのことを考えひたすらペダリングに集中する。シャツが破れ血だらけの選手も居た。パンク修理している人も20数名見かけた。その人たちを憐れみ、抜き際に「ガンバ!!」と声をかけ走る。
延々と続くダートの登り道では無心に漕いだ。長い下りを終えCP3を通過「よっしゃ~」8時間以内に通過できたぞ。そして再び登りが始まる。100kmの選手は最後下ってそのままゴールだが、120kmを走るボクは100kmのゴール手前で再び分岐を左にとり高度500mの登り、20kmの一つ山を越えてゴールしなきゃならない。ここで7時間20分が経過!あと2時間40分でゴールできれば完走だ!!でもこの登りが非常に辛かった。でも傾斜が強く、道が悪いのでトラクションがかからずスリップする。どこまでも続く登り・・・CP1からCP2間の無限坂なんか比較にならない。そして周りの選手は誰もいない・・・完全に一人旅だ。日は傾きだし西日が目に滲みる。でもこの坂を登り切ればあとはほとんど下りだけだ!「頑張るぞ~」と叫びながら登る。
とうとう峠に到着!あとは少し下って登って下るだけ!100kmの選手を何人もかわしながら下る!
そしてゴール手前の平坦路に出るとゴールのアナウンスが聞こえてくる。あぁ・・・もうすぐだ!何故か自然に涙がこみ上げてくる。なんだろう?この感じ。アクシデントに見舞われたけど、昨年果たせなかった目標を達成できたんだ。そしてゴール!!自転車店の皆が待っていてくれた。ありがとう!そして自分にお疲れさん!熱い気持ちがこみ上げてきた。そして「いつものヤッタネ!!!」
そうして今年の王滝はこんな感じで完走することができた。

今回の大会は、CP1に着くまでに3度のパンクに見舞われ、気持ちが折れ、CP1でリタイヤしようかと思ったけど、9時間30分という長時間をかけ自分との戦いに勝ったといった感じです。この感動の記憶はたぶん忘れることのできない人生の大事な1ページに刻まれたと思います。そんだけ感慨深い大会でした。

昨年果たせなかった目標が達成でき嬉しかったし、ダメかと諦めていたけど、自分を奮い起した結果がこうなったんかな!?、人生のとても素晴らしい経験が出来ました。この年(30代)でこんな気持ちになれたことにとても嬉しく思うし、いつまでもこんなふうに青春したいな~と実感しました。

そして120kmの厳しさを痛感しました!(エントリー者数120km:59人 100km:935人 42km:436人)となっていて、120kmはエントリー者数少なすぎ!でも走ってみる価値はあると思いました。

自転車は青春!この一言です。


 ゴールしたときのボク ゼッケンの赤ナンバーは120km走者の証!(ボクは14番だったよ)

それにしても累積登高高度3000m以上だから、山登りでもなかなか体験できない登高差だね!悲鳴を上げずレシプロ運動してくれた両脚にも感謝です!!
コメント (5)
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