ふとっちょパパの気ままな日記

読書履歴を中心に日々の記録を書きます

NTTの自縛 知られざるNGN構想の裏側

2008-02-20 15:51:47 | 本と雑誌

思案中さんのgooブログの方で、読了の旨の記事があったので、触発されて読んでみた。

こんな見方もあるだろうとは思うが、少し、センセーショナル過ぎる。しかしながら、どのような本にも良いところはあり、よりお客様のことを考えていかなければならないというのは、指摘のとおりである。

但し、「NTTを分断(分割)しようとしているメンバー」こそが、お客様のことを考えているという前提に立ってこの本は書かれているが、決してそうではないことをよく考えるべきである。

「NTTを分断(分割)することによりお客様への迷惑がかかってもよい、そのことで利益を得る人がいる」という立場からのプロパガンダだと思えば、この本の主張も色あせてくる。純粋にお客様のことを考えれば、分割してサービスがばらばらになるのはお客様にとっては不便である。

目次

序章 不安な兆候
 ・崩れ始めたNTTの信頼性
 ・100年かけて育てた電話的価値観
 ・現場の改革の芽が摘まれる
第1章 NTT技術陣の現実
 ・障害はなぜ起こったのか
 ・恒常的に発生していた問題
 ・ついに限界を超えた
 ・見直されなかった暫定版のネット構成
 ・ネットワークを見直せない“事なかれ主義”
 ・電話的価値観の正体
 ・IP時代に必要な価値観とは
 ・予算と人事を握る技術系の一大勢力
 ・収益を生み出す人材が傍流に
 ・NGNでも引きずる旧体制
第2章 サービス開発を縛る「電話」の影
 ・サービス開始前にしぼんだ期待感
 ・NGNトライアル中も「がっかり」の声
 ・ユーザー目線を持たない時代錯誤な発想
 ・NGNに期待する通信事業者の事情
 ・日本の国際競争力に及ぶ影響
 ・高品質IP電話を推す社長と会長
 ・マーケットインの発想で作られたフレッツ
 ・フレッツを浸食した電話とNGN
 ・成功サービスを蝕む電話的価値観
第3章 体制維持にこだわるNTTの事情
 ・アナリストから失笑を買う「株主のため」発言
 ・法人ユーザーによるNTTへの厳しい評価
 ・NTTが守ろうとしているもの
 ・2010年問題にもシラを切る
 ・「妥協の産物」でも維持したくなる理由
 ・内向き思考の根は電電公社時代の組織構造
 ・連綿と続く労務系と政治家とのお付き合い
 ・監督官庁である総務省にも秋波
 ・繰り返される組織防衛
 ・大構想の裏に隠されたプロパガンダ
 ・調査結果:企業ユーザー128社からNTTへの直言
第4章 NGNにおける迷走
 ・“過去の遺産”に頼った収益構造
 ・コミュニケーションズとドコモも電話に頼る
 ・収益構造転換の肝、NGNの危機的な実情
 ・NTT西日本がNGN構築をためらう理由
 ・NTT東日本もフレッツとのすみ分けに苦労
 ・歪んだIPネットワーク
 ・「中期経営戦略」後の不透明さ
 ・結局、何のためのNGNなのか
 ・持ち株会社主導が最悪のシナリオを招く?
 ・元凶は純粋持ち株会社?

NTTの自縛 知られざるNGN構想の裏側

コメント (1)
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