今年の3月は難産が多かった。
雪が多くて運動不足になりがちだったのかもしれない。
私のところに運ばれてくるのはひどい難産が多いのだが、
実際には半数以上は枠場で失位(ヘンな格好)を整復して、生ませた。
しかし、難産だとなってから運んでくるまでに30分から1時間以上はかかってしまうので、子馬はもう死んでいることが多い。
牧場にしっかりした枠場があれば牧場でも対応できることがあるのではないかと思う。
枠場があるおかげで大事な子馬が1頭助かれば投資の元はとれると思う。
春は直腸検査や妊娠鑑定にも大忙しだ。
陰部縫合もしなければいけない。しかし、うるさい、危ない馬もいる。
落ち着いて良い仕事をしたいというのは獣医師の願いでもある。
枠場があれば牧場でできることも多いだろう。
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全身麻酔して縫合しなければいけない外傷もあるが、
枠場で縫合することも多い。
最近は、強力な鎮静剤、鎮痛剤、麻酔方法が普及してきたこともある。
牧場に枠場があれば、後治療や、抜糸をするときにも使えるだろう。
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私はほとんど往診には行かない珍しい獣医師なのだが、あるとき具合の悪い繁殖雌馬を診に出かけた。
直腸検査が必要だということになって・・・
「この馬、蹴るんだワ。今、タタミ置くから。」
と言って、枠場に入れた馬の後ろに畳を置いてくれたのだが・・・・
案の定、馬は思いっきり畳を蹴った。
畳が舞い上がった。
平うち縄だけで直腸検査していたら蹴飛ばされていたかもしれないし、
畳越しに直腸検査していたら、畳ごと飛ばされていただろう。
もちろん、必要だと思った直腸検査はしなかった(笑)。
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獣医師の労災事故も何度も起きてきた。
頭を蹴られたら、ヘルメットをかぶって仕事をしてはどうかとか、
肋骨骨折したら良いプロテクターはないかとか、
足を踏まれたら安全靴はどうかと話が出る。
しかし、いつも、ほとぼりが冷めると、元のままだ。
馬にも、馬を扱う人にも、獣医師にも安全に、良い仕事をするために、牧場に枠場が普及すれば良いなと思っている。
畳が舞い上がる、相手も必死ですものね、こちらは怪我無く終らないと意味無いですものね。
馬を扱う所でしたら広いのですから、どこにでもこれくらいの大きさの物は置いておけますものね。あって当たり前の時代にならないとね~
どんなに頑張ったって馬の力には敵いません。
質問です。
枠場はどのぐらいの費用で設置できるのでしょうか?
枠場は、大変助かりますね。
いつも大変勉強させて頂いております。
馬の筋力はすごいですから。きのうも伸びてくる後ろ肢を見てしまいました(笑)。
この埋め込み式枠場は30万弱、下に鉄板がついていて置くだけのタイプは30万強だそうです。
多くは馬房の馬栓棒にお尻をつけて直腸検査ほかをしているのが現状です。怪我人も出ています。それも命にかかわるような。
難産は馬が立っていても馬房の中でやっているのではないでしょうか。難産の最中でも蹴る馬はいるんですよね。
我が牧場の先日のお産で前足一本しか出てこない失位がありました!
母馬が寝た姿勢では治しきれなかったので枠場に移動して治そうと・・・
枠場まで歩いた刺激で自然と治ってました~☆
結果→枠場は必要です!
お気を付けて~~~(>_<)
後輩に馬のお医者さんになって~と申しましたら「死にたくない」と断られました。確かに犬猫では命の危険はそれほど無いですものね。
それは枠馬があってよかったですね!!