馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

当歳馬の頭部陥没骨折

2016-03-31 | 整形外科

9日齢の仔馬が頭を陥没骨折した。

母馬は蹴る馬だそうだ。

眼に当たらなくて良かった。脳天に当たらなくて良かった。

ちゃんと狙って、手加減して蹴った・・・・わけはない。

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x線撮影でも骨片が完全に陥没しているのがわかった。

放置すると陥没したまま骨癒合する。

血腫による腫れがひくと、陥没はもっと目立つようになる。

後で治そうとしても治せない。

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できるだけ骨膜を剥がさず、できるだけ骨片を完全に遊離させず、陥没を正常な位置まで持ち上げて・・・

とやったが骨が薄くて難しい。

それでもなんとか整復し、1/3円スモールプレートをスモールスクリューで固定した。

頭絡で圧迫されることがないよう、扱いに注意してもらう。

傷が治り、骨がくっついた頃、プレートははずさなければならない。成長を阻害するからだ。

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今日は、

飛節の関節鏡手術。と思ったが鎮静剤が打てず、延期になった。

頚に触れることもできない馬は注射しようがない。

餌に混ぜて鎮静剤を経口投与する方法もあるが、まず馴致してもらった方が良い。

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昼、難産。

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午後は第三手根骨の盤状骨折のスクリュー固定。

てこずって大手術になった。

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おかあさん、痛みに耐えて、がんばった