馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

シーズン初めの難産

2016-02-02 | 繁殖学・産科学

前日に疝痛をして診療を受けた繁殖雌馬。

次の日も様子がおかしくて、疝痛の治療をしていたら分娩が始まったとのこと。

ただ、予定日より3週間早く、子馬は前肢も曲げたままで、頭も耳から産道へ来ている。

子馬が先に死んで、押し出されるように分娩が始まったので、そうなってしまったのだろう。

3週間早いので、子馬は小さいはず。

枠場でなんとかできるかも。

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頭を直して、前肢を直して、でも後肢も産道へ入って来ている。

前肢を引張って胸まではでたが、そこからが出ない。

引張る方向を変えたり、捻ったりするが、なかなか引き出せない。

ブロサポを入れて、引張ったら、ずるっと進んで出てきた。

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臍帯から水を入れることをやってみた。

しかし、すでに臍静脈や臍動脈の中には血が固まっているようで、水は入っていかなかった。

異常産だからか??

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子馬は解剖場でERVの心配がないかチェックする。

肺胸膜炎も、肝臓の白斑もない。

腹腔、胸腔には出血していた。難産したせいか・・・?

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あちこちで子馬が生まれている。

もうベビーチェック(新生子馬のIgGレベルを中心とした検査)も来ている。

私の今年初めてのお産は、流産で、難産だった。

まあ、毎年そんなもんだ。

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シネマの極道: 映画プロデューサー一代 (新潮文庫)
日下部 五朗
新潮社

たしか、どっかの本屋でみかけて読んだ。

あ~映画ってこんな風に創られているんだと、内幕がよくわかった。

けっして高尚な芸術作品を作っていくという感じではない。

しかし、そのバイタリティーはすごい。

そして、娯楽性もすごい社会的大事業だ。

邦画も観るよ、と言う人は一読の価値がある。