Equine Emergencies にはHeat Stroke 熱中症についての記載がある。
そのWhat to do 「やるべきこと」の記述。
・体温を下げる。
- より速く冷やし、より早く治療すれば、予後も改善される。
- 患馬を日陰の風通しの良い場所に移動させる(できれば扇風機を使う)。
- 全身に冷たい水か氷水(6℃くらい)をかけ、必要なら繰り返す。もし水が使えないなら、首、胸、腹にアルコールをかける。水の蒸発は湿度の高い環境では効果がないかもしれない。
- 解熱剤を投与する。ディピロンかフルニキシンメグルミン、抗エンドトキシン効果も示す、を投与する。
多くの熱疲労馬はエンドトキシン症でもある。
・血液量を確保する。
- 電解質液を使う。しかし、塩化カリウム20-40mEq/lを含んだ0.9%食塩液を推奨する。
輸液剤は16-21℃より暖かくない方が良い。内部から冷やすために冷蔵した輸液剤でも良いかもしれない。
- 心拍が速く、CRTが延長(5秒以上)していたら高張食塩液を使う。もし神経症状があり、脳浮腫によると思われたら、次の24-48時間に3%食塩液投与を推奨する。
・より重篤な症例では(抗エンドトキシン抗体)高度免疫血漿2?を投与する。
(引用終了)
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やはり全身に水をかけての冷却。
積極的な輸液。が、推奨されている。
体に冷水をかけると体表の血管が収縮して放熱できなくなる。とか、
輸液は必要ないとか、効果がない。とか、は間違っている。
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より良い予後のためには、より速く冷やし、より早期に治療開始すること。だ。
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しかし、夏には体を触ると暖かい。
アンダーコートと呼ばれる短い密な毛が抜けて、放熱するようになったからだろう。
足裏くらいしか汗をかかないとか、舌だけで体温調節しているとか言われるが、うまくできているのだ。
暑そうに見えるが、実は日光から皮膚を守り、熱射を遮断し、暑ければ水に浸かって体を冷やすのが習性なのかもしれない。