馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

Heat Stroke as an equine emergency

2014-06-26 | 馬内科学

Equine Emergencies にはHeat Stroke 熱中症についての記載がある。

そのWhat to do 「やるべきこと」の記述。

体温を下げる。

- より速く冷やし、より早く治療すれば、予後も改善される。

- 患馬を日陰の風通しの良い場所に移動させる(できれば扇風機を使う)。

- 全身に冷たい水か氷水(6℃くらい)をかけ、必要なら繰り返す。もし水が使えないなら、首、胸、腹にアルコールをかける。水の蒸発は湿度の高い環境では効果がないかもしれない。

- 解熱剤を投与する。ディピロンかフルニキシンメグルミン、抗エンドトキシン効果も示す、を投与する。

多くの熱疲労馬はエンドトキシン症でもある。

血液量を確保する。

- 電解質液を使う。しかし、塩化カリウム20-40mEq/lを含んだ0.9%食塩液を推奨する。

輸液剤は16-21℃より暖かくない方が良い。内部から冷やすために冷蔵した輸液剤でも良いかもしれない。

- 心拍が速く、CRTが延長(5秒以上)していたら高張食塩液を使う。もし神経症状があり、脳浮腫によると思われたら、次の24-48時間に3%食塩液投与を推奨する。

・より重篤な症例では(抗エンドトキシン抗体)高度免疫血漿2?を投与する。

(引用終了)

                           -

やはり全身に水をかけての冷却。

積極的な輸液。が、推奨されている。

体に冷水をかけると体表の血管が収縮して放熱できなくなる。とか、

輸液は必要ないとか、効果がない。とか、は間違っている。

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より良い予後のためには、より速く冷やし、より早期に治療開始すること。だ。

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P6226360冬に体を触っても暖かさを感じない。

しかし、夏には体を触ると暖かい。

アンダーコートと呼ばれる短い密な毛が抜けて、放熱するようになったからだろう。

足裏くらいしか汗をかかないとか、舌だけで体温調節しているとか言われるが、うまくできているのだ。

暑そうに見えるが、実は日光から皮膚を守り、熱射を遮断し、暑ければ水に浸かって体を冷やすのが習性なのかもしれない。


敗北に肩を落とす必要はない

2014-06-26 | labo work
涙をこらえられなくなった長友を見て、もらい泣きしてしまった。

残念だし、悔しいだろうけど、世界の中で競うとはそういうことだろう。

イングランドもスペインもイタリアもグループリーグで敗退した。

しょげかえったり、自分たちを全否定する必要はない。

前進し向上しようとしない者に批判する資格などない。