チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

春が来る前に「松輪さば」を賞味

2018-01-23 22:55:13 | 湘南・鎌倉・三浦ぶらり
1月23日(火)

 鯖といえば、豊後水道は佐賀関の「関サバ」が有名ですが、それに負けない高級美味なサバが三浦半島にあって、その名は「松輪サバ」。
 三浦半島の南端、三崎・城ヶ島から数キロ東に松輪という地名があり、ちょうど剣崎灯台の辺りになりますが、ここの漁師が一本釣りで釣り上げる高級ブランドの鯖です。

 逗子の家に落ち着いたら一度口にしてみたいと思っていたものの、家の建て直しやらなんやら少々慌ただしい中で、なかなかその機会がありませんでした。
 それでも、いちおう気にはなっていて、車には小さなアイスボックスを入れてあるので、三浦方面へ出かける時なんかは、佐島や三崎の魚屋を覗いてみたり、数年前にできたという横須賀のポートマーケットでも物色してみたりしましたが、漁獲量が少ないのか、時期的に限られているのか、一度も「松輪サバ」なるものにお目にかかることができませんでした。

 足が速いとはいえ、サバは大衆魚。明石にいる時も、何回かみそ煮を作ったことがありますが、だいたいスーパーなんかにも一年中並んでいるし、めんどくさい時に重宝したサバ缶だって、もちろん缶詰なのでいつでも買えるわけで、特に季節的な感じは持っていませんでした。

 まあ、「秋鯖は嫁に食わすな」という俚諺があるので、旬は秋なんだろうという気分でしたが、歳時記では同じ青魚のアジと並んで「夏」の季語になっています。
 いつだったか、一度ネットで「関サバ」を調べたところ、「旬は10月から3月」となっていたので、「松輪サバ」も食べ頃は秋から冬なのだろうと思っていて、先日、そんなことをふと思い出しました。

 そんな折、妻君が朝から出かける日があって、どこかに昼呑みのできる所はないかなと思いながら、「それじゃ、春が来る前にサバでも食べに行ってみようか」と、一人京浜急行に乗って三浦へ向かいました。
 三浦海岸駅から、若い頃三浦マラソンで走った懐かしい道を通る剣崎・三崎方面行きのバスに揺られて十数分。

 バス停の前に
  磯の香り
  

 こじんまりとした
  松輪漁港
  

 カモメやサギが
  のんびりと
  

 その岩の向こうに見える真ん中の建物が
  港の食堂でしょうか
  

 食堂の脇に
  魚屋の小屋がありまして
  

 サザエとナマコ。奥に
  獲れたての魚が泳いでいます
  


   お互いに身の引き締まる冬の水   弁人


 海っぺたにしては、
  なかなか立派な建物です
  

 二階が食事処。黒板のメニューに
  「松輪サバ」の文字
  
 実は、家を出る前に調べたところ、「松輪サバの旬は9月から12月」とあったので、ちょっと心配していたのです。

 海に面して眺めの良い、食堂というより
  立派なレストランです
  

 ここに来るバスは1時間に一本ということで、車やバイクで来る人がほとんどのよう。カウンター席にはノンアルコールビールの瓶も見えます。
 逗子からでも、車なら半分の時間で来れるのですが、ここに来て、獲れたての魚を前にノンアルはやっぱり寂しい。それに、営業時間は11時から16時ということで、昼呑みにとってはまさに天国のような空間なのですから。

 おつまみメニューも
  黒板に列挙されています
  
 右下の三浦大根は、会計を済ませた後お土産にもらえるのです。野菜の値段高騰の折に「ご自由に好きなだけ」と言われても、バスと電車に揺られながらほろ酔い加減で帰るのですから、今回はまあ1本というところでしょうか。

 さて、どういうふうに注文しようかと考えていると、近くの席から「松輪サバは秋に食べたから、今日はあじフライとキンメの煮付かな」という声が聞こえてきました。
 「それもすばらしい組み合わせだ」 「やっぱりサバは秋なのかな」と一瞬心乱れながら、「今日はサバを食べに来たんだ」と自分に言い聞かせ、

 「松輪サバ(シメと炙り) 二種盛り」と
  「地ダコ刺」を
  
 一杯嗜みつつ、つい数切れパクついてから、「おっとカメラだ」と我に返って撮ったので、ほんとうはもう少し豪華だったんです。ごめんなさい。


   寒鯖と思ふやこれぞ松輪鯖   弁人



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