5月13日(金)
コロナ禍で人とのつながりも稀薄になる中、時々メールのやりとりをする知人から「平塚の巴水展、なかなかよかったですよ」というお便りがありました。
明石にいた頃、毎年1月に天文科学館に寄せられたカレンダーの展示会があり、2月の初めに無料で頒布する催しがありました。ある時、人気のある天文関係のカレンダーがなくなった後、幸運にも川瀬巴水のカレンダーが残っていて、年末までカレンダーを眺めるのが楽しい年がありました。
そんなこともあって、4年前の1月には「巴水展」と聞いて立川のデパートまで出かけたこともありました。今、私の部屋の壁や書棚には大小四枚、「雨の春日大社」「雪の厳島神社」「桜の錦帯橋」「藤の亀戸天神」の絵が飾ってあります。
おそらく、私が巴水の版画にちょっと思い入れがあることなぞ、ご存じなかったはずの知人から、その展覧会の話題が伝えられるのというのも、なんとも不思議な感じですが、人生って面白いですね、ステイホームで陰鬱な気分の中、おかげさまで前向きな気分を呼び覚ますことができました。
聞くところによると、緊急事態宣言下の東京では、閉館したくなかった国立の博物館や美術館も、仕方なく東京都の指示に従うことになったようですが、神奈川に発出されている「まん延防止等重点措置」とか、藤沢の先は茅ヶ崎までで、相模川以西にある施設の運営については、今のところ連休明けも通常通りということを確かめて、
昨日、楽しみにしていた
平塚美術館へ
なかなか立派な美術館。KAZU君が生まれた2008年の7月、高校野球観戦の帰りに「絵本展」を見に来て以来13年ぶりでしょうか。
もちろん、今日は「絵本」ではありません
「版画展」です
巴水の版画の定番といえば、雪の増上寺山門に女性が傘を深く差している縦版の絵でしょうか。浮世絵を並べている浅草のお土産店にもありましたから。
でも、今回知ったのですが、雪の増上寺の版画は、他に男性の姿が描かれているものと、横版で男女3人が佇んでいる作品の、全部で3枚あるようです。
その、横版の
「雪の増上寺」
ご心配なく、これは「撮影可能」という表示のある作品でしたから。ふつう、展覧会で出品作の撮影を認めることはありませんが、どういう事情があるのか、その上でどういう基準で指定したのかはわかりませんが、数点の作品に「撮影可能」という案内がありました。
これは「鶴岡八幡宮」の絵ですが、絵の左に、
こんな具合に
この絵、左の大銀杏から鎌倉の「八幡様」と推測できますが、晩秋の淡い日射しとはいえ、全体的に明るさが漂っているのが印象的でした。
というのも、実は、巴水とくれば、「夕暮れ」「月」「雨」「雪」といった、やや暗い色調の絵が多いからなのですが。
ということで、「八幡宮」の絵のような明るい色調の作品も含めて、今回も数多くの作品の前に佇みましたが、感動的だったのは、やはり、巴水特有の哀愁漂う色調の中に描かれた大正から昭和、戦前戦後の日本の原風景に、日本人としての郷愁をいやが上にも呼び起こされてしまうところでしょうか。
巴水展余韻の耳に四十雀 弁人
コロナ禍で人とのつながりも稀薄になる中、時々メールのやりとりをする知人から「平塚の巴水展、なかなかよかったですよ」というお便りがありました。
明石にいた頃、毎年1月に天文科学館に寄せられたカレンダーの展示会があり、2月の初めに無料で頒布する催しがありました。ある時、人気のある天文関係のカレンダーがなくなった後、幸運にも川瀬巴水のカレンダーが残っていて、年末までカレンダーを眺めるのが楽しい年がありました。
そんなこともあって、4年前の1月には「巴水展」と聞いて立川のデパートまで出かけたこともありました。今、私の部屋の壁や書棚には大小四枚、「雨の春日大社」「雪の厳島神社」「桜の錦帯橋」「藤の亀戸天神」の絵が飾ってあります。
おそらく、私が巴水の版画にちょっと思い入れがあることなぞ、ご存じなかったはずの知人から、その展覧会の話題が伝えられるのというのも、なんとも不思議な感じですが、人生って面白いですね、ステイホームで陰鬱な気分の中、おかげさまで前向きな気分を呼び覚ますことができました。
聞くところによると、緊急事態宣言下の東京では、閉館したくなかった国立の博物館や美術館も、仕方なく東京都の指示に従うことになったようですが、神奈川に発出されている「まん延防止等重点措置」とか、藤沢の先は茅ヶ崎までで、相模川以西にある施設の運営については、今のところ連休明けも通常通りということを確かめて、
昨日、楽しみにしていた
平塚美術館へ
なかなか立派な美術館。KAZU君が生まれた2008年の7月、高校野球観戦の帰りに「絵本展」を見に来て以来13年ぶりでしょうか。
もちろん、今日は「絵本」ではありません
「版画展」です
巴水の版画の定番といえば、雪の増上寺山門に女性が傘を深く差している縦版の絵でしょうか。浮世絵を並べている浅草のお土産店にもありましたから。
でも、今回知ったのですが、雪の増上寺の版画は、他に男性の姿が描かれているものと、横版で男女3人が佇んでいる作品の、全部で3枚あるようです。
その、横版の
「雪の増上寺」
ご心配なく、これは「撮影可能」という表示のある作品でしたから。ふつう、展覧会で出品作の撮影を認めることはありませんが、どういう事情があるのか、その上でどういう基準で指定したのかはわかりませんが、数点の作品に「撮影可能」という案内がありました。
これは「鶴岡八幡宮」の絵ですが、絵の左に、
こんな具合に
この絵、左の大銀杏から鎌倉の「八幡様」と推測できますが、晩秋の淡い日射しとはいえ、全体的に明るさが漂っているのが印象的でした。
というのも、実は、巴水とくれば、「夕暮れ」「月」「雨」「雪」といった、やや暗い色調の絵が多いからなのですが。
ということで、「八幡宮」の絵のような明るい色調の作品も含めて、今回も数多くの作品の前に佇みましたが、感動的だったのは、やはり、巴水特有の哀愁漂う色調の中に描かれた大正から昭和、戦前戦後の日本の原風景に、日本人としての郷愁をいやが上にも呼び起こされてしまうところでしょうか。
巴水展余韻の耳に四十雀 弁人