チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

今日のつぶやき 「WBCが終わって」

2009-03-25 16:28:30 | つぶやき
3月25日(水)

 明石に来て半年が経ちました。孫の様子やこちらで見聞きしたことを、写真を中心に下手な俳句を添えてブログで伝えていますが、心のどこかに「こんなことがありました」という報告に終始しているだけとの思いがありました。
 
 そこで今回、「つぶやき」という新しいカテゴリーを設けました。日々の暮らしの中で感じたことや気になったことなどを気ままに綴ってみようと思っています。


 第1回は「ワールドベースボールクラシック-WBC」について感じたこと二点。

 一つは、「原辰徳の非凡な統率力」。

 アンチ巨人だからというわけではありませんが、私は現役時代の原辰徳はあまり評価していませんでした。高校時代から注目を集めていましたが、スポーツマンとしては気性が優しすぎたのか、勝負もろさが目につきました。甲子園でチャンスに力んでキャッチャーフライを打ち上げたのを目の前で見たことも印象に残っています。長嶋や王に比較されるので気の毒ですが、やはりジャイアンツの主砲としては物足りなさもありました。
 しかし、ジャイアンツの監督になってからは、不振がちの清原をうまくコントロールして使ったり、最近では、スター選手が居並ぶ中で坂本や亀井などの若手をしっかりと育てている点など、なかなかだなと好感を抱いていました。

 今回はまさにその経験が生きたのだと思います。超一流のスター選手30人近くからなる集団をまとめるのは至難の業ですが、選手起用の面でもチーム内に不協和音を生じさせませんでした。
 例えば、大舞台の準決勝・決勝で、藤川球児の調子を見てダルビッシュを抑えに回しましたが、こういうことは選手との間に信頼関係がなければできるはずがありません。
 そして、私がいちばん感心したのは、村田と栗原の入れ替えでした。故障して出られない選手をベンチに入れておく必要がないのはもちろんですが、それまでの村田の活躍ぶりと貢献度、急遽アメリカに飛んでくる選手の時差ボケと緊張感を考えると、最後までベンチに入れておきたいと思っても仕方のない状況だったと思います。しかし彼は情に流されたりはしませんでした。迅速かつ果敢な決断。村田が故障した試合中に日本へ連絡を取り栗原を招集していました。カープファンの私は高松でのタイガースとのオープン戦を気にかけていましたが、栗原は試合前のシートノックを受けている最中に通告を受け、私がチャンネルを切り換えた時には、すでに彼は球場にいませんでした。

 このような決断がなぜできたのか。なぜみんなが納得したのか。それは、「勝利へ向かって最善を尽くす」という一点だったと思います。勝負事ですから負けることもあるでしょう。しかし最も大切なのは、最後の最後まで勝つためにどれだけ精一杯戦ったかということです。重圧や周囲の雑音をはねのけるには、なんとしてもこういう姿勢と信念が必要なのです。それが原辰徳の中にしっかりとできていて、選手の中にも浸透していたということだと思います。監督がどんな采配をしようが、それは勝つための最善の道であると選手たちが信じている。私は、こういうチームを作り上げた原辰徳の監督としての統率力に感心しながらテレビ観戦していたので、ピンチになっても比較的落ち着いて見ていられたのでした。


 二つ目は不愉快な話題ですいません。「理解できないメディアの姿勢」

 18日(水)の第2ラウンドの韓国との3試合目、日本に勝利した韓国選手がまたしてもマウンドに韓国国旗を立てました。こんなことをするのは韓国だけでしょうが、何とも言えない強い嫌悪感におそわれて、オリンピックやサッカーのワールドカップを含めて、国別対抗のスポーツのイヤな面を再認識しました。純粋にスポーツ観戦が好きなだけの人間は国別対抗のスポーツは見ないようにすればいいのでしょうか。

 ところで、私が理解できないのは、論評とか説明とかをいっさい抜きにして、この光景を繰り返し紹介するテレビ局の姿勢です。この光景をまのあたりにして悔しがっている日本人選手の映像もあり、不愉快な光景として流しているのだろうとは思いましたが。
 しかし、大事なのはその「不愉快」の内容です。もしかすると、「国家を背負って戦っているのだから、行為自体は理解できる」と思っている人もいるかもしれません。そう思ったのは23日にアメリカに勝ったあとに、テレビ解説をしていた元メジャーリーガーの口から「明日は韓国にぜひ勝って、マウンドに日の丸を立ててほしいですね」という発言でした。ああやっぱり、嫌悪感を持っていない人もいるのだと暗然としました。今から考えると、韓国に対する単純な対抗心だけから出た発言だったのかもしれませんが。
 大人がこの状況。それでは、判断力の乏しい若者や子どもたちは、何の論評もなく繰り返し流されるテレビの画面を見て、いったいどういう印象を抱いたのでしょうか。アメリカ戦のあった23日の夜のニュースステーションでは、「日本が勝って両国の国旗を立ててほしい」という小学生からのメッセージが紹介されました。さすが子どもらしく「お子さまランチ」を連想というのは冗談で、おそらく日韓仲良く友好的にということなのでしょうが、やはり子どもの心の中で、マウンドに旗を立てる行為自体が容認されていたのです。
 それにしても、たくさんの意見が寄せられた中からこのメッセージを取り上げたということは、これがこのテレビ局の考え方で、バックにある朝日新聞の姿勢と捉えられても仕方ないのではないでしょうか。がっかりです。

 とにかく18日以降は、韓国には早く敗退してほしいというのが正直な気分でした。そして23日のゲームの後は、日本がアメリカに負けたほうがよかったと思ってしまいました。夜のテレビを見た後は、翌日の日韓戦が憂鬱になって、もし日本が勝って日の丸を立てたらどうしようかという不安に陥りました。まったく、つまらないことでスポーツの面白さが損なわれてしまうものです。

 結論。純粋なスポーツ好きは試合だけに集中して楽しむしかないということです。スポーツを利用したナショナリズムの高揚などというよけいなことを考えてはいけないのです。きっと。



コメント
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