赤ちゃんのいる暮らし

この本は、私が子供を生むどころか結婚もしていない頃に買ったものなんです。

しかも2冊も。

というのは、弟夫婦に赤ちゃんができた!! といううれしいニュースをきいて、

取り急ぎ、出産前に なにかちょっとした贈り物をしたいなあと思ったとき

出合ったのがこの本でした。 

パラパラと立ち読みして、なにやらとてもいい匂いがしたんです。

( 本なのに ” いい匂い ” ってヘンですよね、でもたまにそう感じる本がある )

妊婦のゆみちゃん ( 弟のヨメ、ちっちのママ )が産休でのんびりしている時にでも

ちょうど読めるかなあ、なんて思ったのでした。



購入後、家で再び ” いい匂い ” のもとをかぎたくてページを開いてみました。

うーん、するするっ!、いい匂い!!

すーっと引き込まれ、結局ユミちゃんに送る前に私が先に全部よんじゃって、

あんまりにも良かったので、もう一冊買い足して自分用とプレゼント用、二冊と

なったわけでした。

この 『 赤ちゃんのいる暮らし 』 という本は、

二人 と その間に 「 割り込んできた 」 もう一人 の、スタートした新しい暮らし

についてのあれこれを、やさしくあたたかな美しい日本語で最初の一年間くらいを

つづったものです。

著者の 毛利 子来 ( もうり たねき 、まるで小児科医になることを予言したかのよう

なお名前! )先生は、生まれてきたばかりの赤ちゃんを きちんとひとりの ” ひと ”

として書くんです。  たとえば、


( 前略 )それに、このひとは、二人の行為の結果として目の前に現われて来ました。

     二人のこれまでの歴史が、ひとつに凝縮したものとしてあるのです。

    とすれば、このひとは、二人の関係を相当に厳しく問う存在でもあるはずです。

     そして、これからは、そうした運命の間柄にある三人が、同居しようと

     別々に暮らそうと、からみ合って生きていくことになるのです。

                                  ( 後略 )

         『 赤ちゃんのいる暮らし / 産院から帰って 』 より


・・・・ね、なにかこう・・突端からぐっと迫ってくる感じ、でもあたたかい・・・。

その、毛利口調で新米ママ、パパに、赤ちゃんってこんなんですよ、赤ちゃんだって

こんな風に考えているにちがいないのですよ、と教えてくれるのです。

赤ちゃんのお世話のしかた、の本ではあるのですが、赤ちゃんが登場したことで大きく

変化をせまられ、待ったなしでどんどん進んでゆく二人の暮らしの指南書、でしょうか。

私は出産後、何度も何度も読み返しました。

あわててパニックになった初めての風邪の嘔吐のとき、離乳食をはじめる時、はじめて

から、春夏秋冬、季節の変わり目の時期、なんでもない時、息子が昼ねしている時。

その都度、ああ、だーいじょうぶ。 全然大丈夫だー! という気持ちにさせてくれます。

章と章の間には、八木 重吉 、タゴール、谷川 俊太郎、吉原 幸子、三木 卓、などの

詩が挿入されていて、それぞれ味わい深く、そして和田 誠氏の挿絵も良い。

赤ちゃんとの暮らしをはじめているひとにも これからはじめたいひとにも、

単に赤ちゃんが大好きなひとにも、ぐーっと心入れしてしまう本、です。



そうそう、弟のとこのユミちゃんも ちっち出産後、そして二人目出産後、も

やっぱりくり返し読んでいるそうです。

「 まーちゃん、貸してあげようか? 」 ってある時電話で言ってくれて、

「 実は、私の分も買ったのー! 」 と、二人で笑いあいました。

















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