ディック・ブルーナのデザイン

私が 「 うさこちゃん 」 と初めてあったのは、

いとこのうちで、でした。

私は5歳か6歳くらいだったと思います。

ちいさな正方形の、色のはっきりした、1ページに うさぎ とか、とり とか、さかな

なんかが 大きく1つだけ描かれた絵本。

今思い返すと、その時の印象は ” サインみたい ” だったようです。

( はっきりとサインを意識したわけではなくて、なんだかいつもの絵本と違う感じ )

と同時に、その絵本は、一緒においてあった 『 おやすみなさいのほん 』 と共に

私にとって、初めての 「 外国 」 だったように思うのです。

うちにある絵本は いわさきちひろの絵のものとか 泣いた赤鬼とか、日本版グリム

童話、でしたから。

その後40年ほどたちました。

うさこちゃんは2年前に誕生50周年を迎えていたのです。

おとついの月曜日に この 『 ディック・ブルーナのデザイン 』 を買いました。

初めてであってから今日まで わたしが うさこちゃん のファンだったことはなく、

なのに何故? それは この本の内容がとてもよかったから!

特に購入のGOサインを出してくれた箇所がありまして、

それは74ページの


「 わたしの線は、

 いつもすこし震えています。

 まるで心臓の鼓動のように。
 
 震える線はわたしの個性なのです。 」 


という、インタビューへのブルーナさんの答えの文章でした。

他の大勢とは違う ” わたし ” 。

確かに ブルーナさんはミッフィーを、いろいろな彼の動物達、子供達、植物達を

とても風変わりなやりかたで描いていました!!

この、コンピューター全盛の世の中にあって、

世界のディック・ブルーナであるにもかかわらず、助手を使わず自分1人で

デッサンを繰り返すこと、線を描くこと、色を決めること、などなど全て手作業、

何十年と繰り返してきた、そう、ブルーナさんのオリジナルのやりかたで。

自分で自分の個性を育て、たいせつにしてゆくこと

それを ブルーナさんが具体的にこの本で示してくれているのでした。



自分にできること、できないこと

好きなやり方、好きではないやり方

それらを時間をかけて見極めながら、できるだけシンプルに! 表現し続ける。

ひとはそれぞれに環境的に恵まれていたり、あんまり どころか ぜんぜん恵まれては

いなかったり、ですが、この ブルーナさんの創造のありかたは普遍的な真実だと思う。

他とは違う ” 自分 ” のやり方をみつけ、

自分だけのイメージを形作ってゆくのです。

それが アートワークであっても、人生の日々1日1日であっても。



オランダはユトレヒトでのブルーナさんの生活スタイルや、絵本作家の前段階の

デザインの仕事も紹介されていて、なんというか・・・心が暖かくなる本です。

そうそう、初めて出逢ったうさこちゃん達がなにかのサインみたい、と感じたのは

ブルーナさんご自身で ” わたしはグラフィックデザイナーなんです。 ” といっている

その文章で納得しました。 

デザイン、を 子供心に感じたんですね、きっと。

ディック・ブルーナ 御歳80歳!

こんなふうに歳をとりたーい!!

そんなことも強く考えた1冊です。












コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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はじめてコメントします (まんな)
2007-11-09 14:54:23
私もつい先日、この本を手にとって読んで同じ箇所が強く印象に残ったので思わず勢いでコメントしています。

札幌で時間がとれる時しかお店に寄れませんが、先月お邪魔してコースターと木のトレイを購入。とても気に入っています。

旭川市内から見える大雪の山々はもう真っ白です。


 
 
 
まんなさまへ (PQどき)
2007-11-09 15:16:41
こんにちは!

お久しぶりです。ご来店いただき、お買い物もしていただ

いて、ありがとうございます。 そしてコメントも!

ディック・ブルーナの本を、これから少しずつ集めようと

思っております。 この本を読んだから、です。

まんなさんも やはりあの箇所に心が動いたのですね。

さりげないけど、とてもとても大事なことを伝えて

いますよね。 子供をもってみて、自分のこと そして

子供に対して も しみじみ考えさせられる箇所でした。

旭川はもうかなり冷え込む日々ですよね。

風邪におきをつけてくださいネ。

またぜひコメントいれてください!! お待ちしてます。




 
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