レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

乗客ナンバー23  シャーリー・ホームズ

2020-02-04 09:25:08 | 
『乗客ナンバー23の消失』 セバスティアン・フィツェック
 ドイツミステリー。
 この作家の本でそれより新しい、紛らわしいタイトルのものは既に読んだが、こちらはやっと。
 囮捜査官のマルティンは、5年前に妻子を失くした。豪華客船クルーズの最中に妻が息子を殺して海に身を投げたのだった。しかし、同じ船で一時行方不明になった少女が戻り、その子は息子のものであったテディベアを所持していたと知らされたマルティンは捜査に乗り込む。
 いろいろと不穏で陰気な要素は多いが、最終的にはまあまあの救いがある。
 一気読みしてしまった。


『シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗』 高殿円
 現代版であるだけでなく、主要キャラ一同を女に転じた実に過激なホームズトレース、第2弾。
 ジョンでなくジョー・ワトソンの叔母が結婚する、その相手のバスカヴィル氏は名家の子孫で、跡継ぎになった、しかし脅迫状が・・・という、原典をふまえた設定。
 小説を書いている女が「ジョー」だと、どうしてもマーチ家次女を連想するけど、こちらのジョーにはかなりの暗い過去が生い立ちでも戦地でもあるようで、そのわりにふだんノーテンキに見えるのは立派かも。
 挿画もすてきなのに、雑誌掲載時よりも収録が少ないであろうことが不満だ。前作では文庫版で載っていたようだけど。

 ホームズ女版では『シャーロット・ホームズ』もあるが2作目まで邦訳が出て、しばらくご無沙汰である。

21.2.5に付記。
上記の『シャーロット・ホームズ』はその後出ていた。
女子高生探偵シャーロット・ホームズ 最後の挨拶 (上) (竹書房文庫) 2020/8/27
このあと番外編もあるらしい。
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