レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

カルバニア物語11巻

2007-08-29 18:56:59 | マンガ
 今月はTONOさんのコミックスが2冊出た。

『カルバニア物語』は早くも11巻。ついにエキューは王国初の女公爵になる。初の女王陛下タニアとは親友で、感慨深く任命式。うーむ、うら若いうるわしい二人が主役の式典、さぞかし鑑賞にたえるだろうなぁ、私も見たいものだ。
 生理ネタが健全に絡んでくるあたり、作者お得意のノリ。
 それにしても、エキューがほんとに妊娠してたのなら、・・・相手はライアンしかありえなかったので、さぞかしキレイな子だったろうなと少しはもったいない。色好み宣言したけどまだエキューはほかの男とはつきあってないですな。あとひとりふたりは出てきたほうが話として収まりがいいような気がする。

『ラビット・ハンティング』2巻。
1巻を借りて読んだのがだいぶまえのことで、登場人物その他を全部は覚えていない。FTではない現実世界だけど、名前が不統一なので、どこの国だと特定不要。少年少女のモデルがぞろぞろ登場し、変質者の被害にあったりする美しさの持つ危うさも、羨まれるほどの幸福も、淡白なタッチでさらっと表現される。
 この作家の世界では、美貌礼賛が決して否定もされないが、だからといって、それが唯一の尺度ではないこと、不器量さを蔑むことがどんなに罪深いかということもきちんと描いてみせている。「少女マンガ」が持つべき要素である。

 実のところ、この作家の絵もそれほど美麗!というガラではないのだけど、美形という設定が白々しく見えないオーラがある。
 非美形やオッサンも浮かないというのは物語の厚みを出すためには大きな強みだ。
コメント
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