レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『山田太郎ものがたり』

2007-07-20 14:43:00 | マンガ
 by森永あい、95-2000、「あすか」に掲載されたコメディ。
 名門校に通う山田太郎は、容姿端麗頭脳明晰スポーツ万能品行方正、「唯一の欠点は貧乏なこと」。放浪癖のある(ほとんど留守)絵描きの父、元お嬢様で病弱で経済観念ゼロの母、多くの弟妹を抱えて日々生活に追われている境遇でありながら、その容姿と雰囲気から周囲は彼をお坊ちゃまだと思い込んでいる(本人はまったく隠していないのに)。

 私がこれを知ったのは、森奈津子『耽美なわしら』を介してだった。当時「あすかノベルス」でこのナイスなタイトルを目にして、面白そうなので買って、ほんとに面白かった。イラストが森永あいで、雑誌「小説あすか」には、この小説のキャラと太郎が共演する番外編が載ったこともある。(『耽美なわしら』をきっかけとして私はモリナツと森永双方の読者になった。)

 台湾で『貧窮貴公子』の題でドラマ化されたことは知っていたが、いま日本製も放映中。
 主演が、・・・坊ちゃんに見えないぞ(それにさほど美少年でもないぞ)という不満はあるが、まぁ悪い感じではない。
 原作を思い出してみて、これは使わないかな?と思う点
・先輩(ドラマでは同級生設定)杉浦(男)が太郎に惚れてしまう展開
・太郎の妹(実は女装した弟)が「夜のお供に すっぽんまんじゅう」のポスターのモデルになる。けっこうロリな図。
・上の妹よし子(小学生)が、御村の婚約者同様になる(数年後の後日譚では本格化してる)
  「家族愛」を強く出して健全路線のようだから、ロリは避けるだろうな。原作で太郎は父ちゃんが14、母ちゃんが20のときの子だけど、少なくとも父ちゃんの年齢は上げてあるらしいし。

 いま書店では改めて大きく並べてある。私は既に持っていないけど、売れてほしいものだと思っている。昨今の少女マンガのヒット作では珍しく、伝統的少女マンガの絵だから、ということもその理由だ。ほどほどにきっちりしていて、可愛さも華やかさもあるタッチ。
 『耽美なわしら』は、別の出版社から挿絵なしの完全版(ノベルスには未収録だったぶんも入れたという意味で)が数年前に出たけど、おーい角川、この際だから、イラストも復活させた「完全版」(マンガ込みで)を出したらどうだ?

 ドラマの間でやっている「ホワイト家族」のCMに出てくる白い犬が可愛い。
「ホワイト家族 」
コメント (2)
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