レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『天を斬る』

2007-07-25 14:45:56 | 新選組
 いま「時代劇専門チャンネル」で、栗塚旭特集として主演作品をどんどん放映している。いまは『天を斬る』と『新選組血風録』。『天を斬る』はビデオも発売されておらず、うちでも全部は録画がなかったので嬉しい。正直なところ出来不出来があるが、私が初めて半分以上見た結束&栗塚作品なので愛着がある。
 昭和44年ー45年(1969-70)放映、26回。(これに続いて『燃えよ剣』となる) 幕末ものではあるけど新選組ではない。それよりも少し前の時代。第1話で「安政6年」と言ってる。
 なにかやらかして講武所頭取をクビになった大身の旗本の牟礼重蔵(栗塚)、都の治安悪化に苛立つ京都東町奉行所与力桜井四郎(島田順司)、茫洋とした西町奉行所与力権田半兵衛(左右田一平)が、隠密として不逞浪士の取り締まりを命じられる。前半は京都で、後半は各地を転々としながら任務遂行。
 (森川久美の昔の名作『南京路に花吹雪』の前編『蘇州夜曲』と設定に共通点がある。本来エリートだったヤツが反抗して、物騒な時代で特に物騒な町にやられて危険な任務、という点で。)
 ゲストキャラの人々が、時代のうねりに翻弄される庶民の哀歓、という結束信二ドラマのいつものテーマを感じさせるしくみになっている。
 悪者退治と人助けという点では『水戸黄門』なんぞと共通なんだが、この旦那がたはさほど面倒見が徹底していない。そのせいなのか作者の主張なのか、ハッピーエンドにはめったにならない。
 3人の旦那がたに使われている(雇ったわけでもないのに)メンバーは、大工の棟梁の万五郎(小田部通麿=『燃えよ剣』伝蔵)、江戸っ子無宿者の百太郎(西田良=『燃えよ剣』原田)、西の与力大沢孫兵衛(香月涼二=『燃えよ剣』の河合ーーただしこれはオリキャラと思ってもらいたい)。
 それぞれに「キャラだち」しているので、いま普通に放映されたらきっと同人誌を生むタイプであろう。

 改めて第1話を見てのどうでもいい感想:
「本来単なる無頼の者が、主義主張の為と称して狼藉非道を繰り返すのを手をこまねいて見逃さねばならないことを申しておる」
ーーこれ、早口言葉で言ってみよう!
 桜井さんが、奉行所の無策に抗議して上司に談じ込んでいるセリフ。順ちゃんも言いにくかったろう。


 弟がヤフーBBで『仮面の忍者赤影』を見ている。赤影の坂口さんは『血風録』の山崎丞(監察というのも忍者みたいなものだな)である。『血風録』から『燃えよ剣』に至る作品群は出演者製作者がたくさん重なっているが、『赤影』にも新選組の(?)メンバーがたびたび出ているそうだ。
コメント (2)
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