レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

川崎苑子=北村夏

2007-07-06 05:45:37 | マンガ
 これまで手元以外にためてあった本の山から、手放す気のないものを持ってきた。コミックスでコンプリートしている作家は、これまでどおり、あずみ椋さんと川崎苑子さんだけとなる。
(コンプリートといっても、新しいバージョンで出たらそちらに替えるけどね)

「川崎苑子」は、70ー80年代に「週刊マーガレット」で活躍した。『あのねミミちゃん』、『りんご日記』など。
 数年のブランクの後、「スコラ」のソフトレディコミ「さくら」で復活。読みきり2作のあと、PNが「北村夏」に変更。「スコラ」倒産の後レディコミ系列を引き継いだ「あおば出版」の雑誌にたまに載る。しかしここ1年ほど新作が出ていない。
 「北村夏」としては『私に似た人』しか単行本は出てない。連載のいちばん長かったのは『杏おばさんの姪』、しかしこれは「総集編」にもなっていない。アンケートを出すたびにしつこくリクエストしているんだが。

 昔のマーガレットコミックス『野葡萄』(表題作は、ソノラマコミック文庫『ポテト時代』に併録)に入っている『スノードロップ』はとりわけ佳作。
 内弁慶な中学生あや。中学教師の父が、進路指導のために熱があるのにムリして学校に行こうとするので、それをとめようとするやりとりの「おとうさんは他人の子が本気でそんなにかわいいの!?」「うんっ、あや」。 のちに、自分と姉が母の連れ子であることを知って、この言葉を思い出して涙ぐむ場面は私も泣けてしかたない。
 「珠玉」という表現がこれほど似合う作家はまたといるまい。
コメント (5)
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