晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ふたご座の双子星(Castor A)

2024年03月13日 | 二重星
ふたご座の双子星と言えばカストルとポルックスですが、兄のカストルは実は2.0等と2.9等の星が並んでいるホントの双子星(実視連星)です。… というコトは知っていましたがこれまで見たことがなかったのでスターウオッチングしてみました。

 カストルの主星(Castor A)は見かけ等級1.93、A型主系列星の高温(10,286K)星で、伴星(Castor B)は見かけ等級2.97、こちらも主星と同じA型主系列星の高温(8,842K)星です。望遠鏡で見るとどちらも青白色に見えます…とガイドブックには書いてあります。

 気になる角距離ですが、カストルAとカストルBの離角は1970年~1980年頃が2秒弱で一番小さくて、現在は5~6秒になっているので以前よりは見やすくなっているようです。

 カストルAとカストルBは460年の公転周期で共通重心を中心に回転していますが今は離角が離れていく時期で2040年頃の離角が一番大きくなるようです。

 で、さっそく望遠鏡(μ210)をカストルに向けてみました。最初は25mmアイピースの倍率96倍です。ほほう、光度差が少ないのでどちらもクッキリ見えます。今日のシーイングでは96倍ではくっついているお団子のように見えてますが色が青白でとってもキレイです。

 では、次は18mmのアイピースで倍率は134倍です。おおー、これはしっかり分離して見えてます。いや~とてもキレイです。カストルがこんなに美しい双子星だったとは知りませんでした。

こちらが惑星カメラで撮影したふたご座の双子星「Castor A」 と「Castor B」です。

 眼視では色の違いが分かりませんでしたが、撮影してみると伴星の方がやや青紫色で、Castor Bの温度の低さが分かりますね。

 カストルは92秒離れたところにもう一つの伴星カストルCがあって、カストルA.B.Cがそれぞれ分光連星になっているので6重連星だという話は有名ですが、望遠鏡で見る二重星としてのカストルは冬に見ておきたい天上の逸品のひとつですね。