

第一弾はアポロ11号着陸地点・静かの海です。着陸地点の撮影は月面の起伏がよく分かる太陽高度が低い日(日の出直後または日没直前)が適しているのでステラナビで調べてみると撮影条件の良い日は3月30日と4月15日の二日間でした。
残念ながら3月30日は天気が悪かったので撮影は出来ずじまいでしたが、4月15日は天候に恵まれたので撮影することができました。
アポロ11号着陸地点・静かの海 西部

2024/4/15 18h13m17s μ210+PL25mm+ASI174MM+IR-Pass Filter 685mm Duration=30s Shutter=4.362ms Gain=386 (96%) 75% of 5165frames
望遠鏡で見る静かの海は起伏の無いなだらかな地形ですが、実際は小さなクレーターだらけだったので手動操縦で着陸船を降下させていたアームストロングが着陸できる平地を見つけたのは燃料切れ寸前(着陸完了後の残燃料は20秒分)だったというエピソードがあります。
では、Google map moonを使って正確な着陸地点を探っていきましょう。














今回の撮影ではシーイングがそこそこ良かったのでゴーストクレーター・ラモントのリンクルリッジもキレイに写っていますが、夏の気流にはほど遠いものだったので、夏場の良シーイング時に再度アポロ11号着陸地点の撮影にチャレンジしてみることにしましょう。

2024/4/15 18h28m28s μ210+PL25mm+ASI174MM+IR-Pass Filter 685mm Duration=30s Shutter=76.10ms Gain=251 (62%) 75% of 395frames
*リンクルリッジ(しわ状の尾根)で囲まれたラモントは起伏が乏しく、太陽高度が5°以下にならないとその全体像が見えないことからゴーストクレーターと呼ばれている。
〈アポロ11号関連・YouTube〉

↑ 見どころ:動力降下中に何度も表示されるシミュレーション訓練では見たことの無いプログラムアラームに翻弄される中で着陸中止か続行かを決定する緊迫した交信が記録されています。5分08秒にマスケリンWクレーター上空を通過する様子、11分57秒付近でフットボールフィールド大のウエスト・クレーター(Crater West)上空を通過する様子、12分35秒過ぎから見える最後のクレーターであるリトル・ウエスト・クレーター(Little West Crater)を飛び越えてランディングポイントの平地に着陸する様子は必見です。

↑ 16mmフィルム・ムービーだけでなく、地上管制官の様子、月着陸船の姿勢と高度が同時に表示されているので状況がよく分かる動画です。これを見ればアポロ11号の着陸の様子が手に取るように分かる完全版の名にふさわしい完璧なムービーです。(←ほめすぎ!)
最近、同じ時に同じ天体を見たり撮ったりしていることがたびたびありますが、今回もほぼ同時に同じクレーターを撮っていましたね!ビックリです。私もアポロ11号の宇宙飛行士の名が付いたクレーターを撮ろうと思って前日も挑戦し、この日うまく撮れました。アストロアーツに投稿しましたが、フレーミングが悪く着陸地点がだいぶ下に寄ってしまいました。
ブログにあった完全版動画見ました!素晴らしい完全版でした!会話が字幕で出るのでよく分かります。始めのうちは、司令船のコリンズのしゃべりがあって、へーと思いました。着陸の瞬間は、司令船はどのへんにいたんでしょうね。月まで交信に1.3秒かかるはずですが、全然そんな気がしないやりとりでしたね。このアポロ着陸地点プロジェクトのこれからが楽しみです!
どーもです。ビックリですね~。同じ日にほぼ同じ時間に同じ月面を撮影していたとは… シンクロニシティです。
月面着陸時の司令船の位置ですが両機とも月面着陸の約30分前に月面裏側から表側に現れてほぼ同時に通信が回復(正確には司令船の方が数秒ほど先行)しているのでそれほど離れてはいなかったようです。動力降下による減速で両機は離れていきますが着陸時の司令船は通信可能領域(月の表側)にはいたようです。ただし、イーグル号から直接交信を受信することはできなかったので管制センターが設けた中継リンク(イーグル号→地球→司令船)の経路で交信を聞いていたようです。さて、次回はアポロ12号着陸地点の嵐の大洋です。アポロ12号のエピソードも交えながらお送りする予定です。