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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

2025年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~3月編)」

2024年12月31日 | 「見たい天体現象」
2025年見たい天体現象の第4弾は「月と惑星の接近」です。
 来年もウオッチングしたい「月と惑星の接近」がたくさんあるので「1月~3月編」「4月~6月編」「7月~12月編」の3回に分けてお送りしま~す。ではさっそく始めましょう。1月~3月にぜひ見たい月と惑星の接近はこれだ~!

1月3日「四日月と金星の接近」

 2025年の金星は1月10日に東方最大離角を迎え3月中旬までは宵の明星として南西の空で輝く。そのため3月までは夕月と金星の接近を見ることができるが大接近といえるほど近づく現象はない。1月3日は月と金星の離角が約5°なので満月10個分も離れているが、薄明が終了した夜空で地球照がキレイに見える月と金星のランデブーは見ておきたいイベントだ。撮影記録→1月2日photo


1月4日「五日月と金星、土星の競演」

 翌日1月4日は五日月が土星と金星の間に入る。土星の光度は1.1等だが薄明終了時の高度が30°もあるので存在感のある輝きで見えるだろう。1月の土星はしだいに高度を下げていくが1月18日には金星に離角2°まで近づいて横並びになるのでこちらも忘れずに見ておきたいイベントだ。撮影記録→1月4日photo土星と金星の接近 撮影記録→1月18日photo 、1月19日photo


1月10日「月齢10.5と木星、プレアデス星団の競演」

 この日の月は満月4日前で輝面比が0.86もあるのでプレアデス星団を肉眼を見ることは難しいが双眼鏡ではM45とアルデバランの周辺の星がキレイに見えることだろう。カメラで撮影する対象としては露出の設定が悩みどころではあるが記録として残しておきたい現象だ。撮影記録→1月10日photo


1月14日「満月と火星の接近」

 最接近2日後の火星が満月と接近する。月と火星の離角は月出直後が約3°だが火星が南中する頃には離角が6°になる。観望のタイミングとしては薄明終了後がベストだ。月明かりを煌々と照らす満月は周囲の星をかき消してしまうが、火星の光度は-1.4等級もあるので見応えのある接近になるだろう。撮影記録→1月14日photo,photo


1月31日「三日月と土星、金星の競演」

 三日月と土星の離角は11°、金星とは22°も離れているので接近とは言えないイベントだが夕空の色が深みを増していくマジックアワーで見る3天体の競演はフォトジェニックな星景になることだろう。お気に入りの背景で撮影したいイベントだ。撮影記録→1月31日photo,photo


2月1日「白昼の土星食」

 この日の月は輝面比が0.09(9%)なので仙台においては土星の潜入も出現も見かけ上は暗縁となる。土星が月に隠される現象ではあるが白昼なので土星が青空に消えていくように見える現象になるだろう。土星の光度は1.1等なので空の透明度が良ければ土星も月も望遠鏡で見える明るさではあるが青空の中では輝面比0.09の月はコントラストが低いのでかなりキビシイ条件ではある。撮影記録→2月1日photo,photo



2月1日「四日月と土星の接近」

 土星食の日の夕方なので空が暗くなると月のすぐ下で土星が輝いているのが見える。月の上には約8°離れたところでは金星が輝いているので「四日月と金星、土星の競演」とも言えるイベントだ。この日は金星-月-土星がまっすぐ縦に並んで見えるので目を引く星景になることだろう。
撮影記録→2月1日photo,photo


2月2日「五日月と金星の接近」

 2月2日の金星は日没時の高度が2025年では最も高い40°、光度は-4.8等級(最大光度は2月15日の-4.9等)なので最良の観望好機と言える。日没直後には五日月と眩しいほどの金星の接近を見ることができるが、金星が白昼の空で見える明るさなので天気が良ければ青空の中で隣り合う月と金星を肉眼で見ることができる。最大光度の金星が細月と接近するケースはレアなので見逃せないイベントだ。
撮影記録→2月2日photo,photo,photo,photo、最大光度の金星 撮影記録→2月15日 photo,photo


2月7日「十日月と木星、アルデバラン、プレアデス星団の競演」

 1月10日とほぼ同じ星並びに輝面比が少しだけ違う月が接近する。衝を過ぎた木星は見かけ上地球から遠ざかっているのでやや暗く光度は-2.5等級だ。木星の次回の衝を調べたところ2025年は13年に1回の割合で発生する衝のない年になるそうだ。次回の木星衝は2026年1月10日、ふたご座で輝く。
*月とプレアデス星団の接近 撮影記録→2月6日photo、木星拡大撮影→1月19日photo, gif


2月9日「十二日月と火星、カストル、ポルックスの競演」

 2月9日の宵の口に十二日月が火星、カストル、ポルックスで作るトライアングルに接近するが、実はこれは前置きでメインイベントは日付が変わって2月10日の未明に見える月没直前の火星と月の接近だ。2月9日21時40分の火星と月の離角は約4°だが2月10日未明の月没直前には火星と月の離角が30′まで近づく。札幌と福岡では月高度1°で火星食が起きるらしいが仙台では月没時の火星と月縁の角距離は5′のようだ。月没時は無理なので4時40分頃が最も近づいた様子を撮影できる時刻だろう。↓
*カストル・ポルックスと火星の接近 撮影記録→2月6日photo、火星 拡大撮影→2月2日photo

2月10日未明「月と火星の大接近」



3月1日「二日月と水星の接近」

 2025年の水星観望好機は、夕方が3月上旬と6月末から7月始め、明け方は8月20日前後と12月上旬の4回だ。その中で月と接近する機会は何度かあるが最も近づくのが3月1日だ。水星光度は-1.0等とかなり明るい。二日月の輝面比は0.02なので究極に細いというほどではないが、晴れスタ的には1~3月期でイチオシのイベントである。


3月2日「三日月と金星の接近」

 水星と接近した二日月が翌日には金星と接近する。接近といっても月と金星の離角は6°(満月12個分)もあるので三日月と金星・水星の星景写真として撮りたいところだ。水星の光度はやや暗くなるが3月9日には金星と水星が離角6°20′まで近づくのでそちらも注目したい。
撮影記録→3月2日 photo,photo,photo,photo



 以上が1~3月にウオッチングしたい「月と惑星の接近」です。さ~て、2024年もいよいよ大晦日となりましたね。今年もこのブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。 

 来年も、毎度おなじみのゆる~いアップになると思いますが、時間があるときや思いついた時にちょこっとお寄りいただければ幸いです。

 ↓2024年の初日、明日はキレイな初日が見られるかな?

 それでは皆さん、よいお年を~!

新月2日前の月と水星、アンタレスの接近 12/29

2024年12月29日 | 水星
天気が良さげだったので新月2日前の月と水星・アンタレスの接近をウオッチングしてきました。

2024/12/29 05h47m06s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 F5 1/1.3sec

 月が雲の峰から顔を出したのは月出から14分後で月高度は約2度でした。

2024/12/29 05h42m10s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 F5 2sec

 今日は旧暦の11月29日ですが月の呼び方としては朝なのでこれは二十八夜月…でいいのかな。

2024/12/29 05h42m36s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 F6.3 2sec


 雲間からの観望だったので3天体が見えていた時間はわずかでしたが、とってもキレイでした~。

2024/12/29 05h45m42s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 F5 1/1.3sec

 12月25日に今年3回目の西方最大離角を迎えた水星ですが、最大光度(-0.4等)は12/26-1/4で、水星高度が最も高くなるのは12/29(本日)でした。明日から高度が下がるので観望好機は1/4までですかね~。

2024/12/29 05h52m56s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 F5 1/1.6sec(トリミング)

 本日のラストフォト(月齢27.6、輝面比は0.05)

2024/12/29 06h03m56s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1250 F9 1/40sec

 この直後に月が雲に突入して3天体が全て雲のムコウガワになって観望会は終了~となりました。観望場所に着いたときはそれほど雲は無かったのですが日の出が近づくにつれて雲がモクモクと湧いてきたので3天体の接近を見られたのは超ラッキーでした。

スターリンク衛星(G12-2)撮影記録 12/24

2024年12月26日 | 宇宙開発
12月23日14時35分(JST)にリフトオフしたスターリンク衛星の撮影記録です。

 仙台上空を通過したのはリフトオフから27時間後の12月24日17時20分頃… 最大仰角は66°の好条件だったので拡大撮影の準備もしていたのだが小雪がちらつく天気で雲も多くかったので12/2のようなクリアな画像は撮れずじまいでした。

 リフトオフ27時間後のスターリンク衛星(G12-2)

2024/12/24 17h24m20s D810A NIKON 28mm f/2.8 ISO10000 F2.8 1/3sec

薄雲越しのスターリンク衛星

2024/12/24 17h24m26s DOB30 + Or18mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=0.912ms Gain=396 (82%) 


ステライメージでレベルをあり得ないほど上げてもこの程度の画像でした

2024/12/24 17h24m40s DOB30 + Or18mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=0.912ms Gain=396 (82%) 

ま、このような天気だったのでスターリンクブルー色をとらえただけでラッキーと言えますね。

2024/12/24 17h24m40s DOB30 + Or18mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=0.912ms Gain=396 (82%) 


こちらは17時23分23秒から17時24分43秒までの画像を繋いだGIFアニメです。

本日の通過図とイベントデータ





12月19日の木星

2024年12月21日 | 木星
12月18日深夜(撮影日としては12月19日)に撮影した木星です。

 12月18日の深夜に一時的ですが好気流になる予報がWindyに出ていたので準備をしながら恒星の瞬きをチェックすると… ふむ、シリウスがゆったりと瞬いています。この時期としてはなかなかの好気流ですが、ベテルギスがわずかに瞬いているので12月2日ほどの好気流ではないようです。

 で、0時18分から60秒露出の連続撮影を開始したのですが、20分後の0時38分過ぎに急激に気流が乱れて… 模様が見えないどころか木星の輪郭もグワングワンと揺れて撮影続行不可となりました~。

 もっと早い時間から撮影してれば…と思いましたが、ま、結果論なので仕方ないですね。で、こちらが0時18分から0時38分まで撮影した動画を50%スタックしてDe-totationした画像です。

12月19日0時28分の木星(光度 -2.8等、視直径 47".9、輝面比 1.00)

2024/12/19 0h18m-0h38m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11950mm (F/50) Shutter=39.17ms Gain=300 (62%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×21image


0時18分から0時38分までのGIFアニメ



 0時50分まで撮影が続いていたらエウロパが木星の影から出てくるところが見られたのですがね~。好気流があのように一瞬で悪気流に変わるとは…さすが冬の気流です。



 今朝も明け方に好気流がやってくる予報だったので深夜と明け方に星空チェックをしたのですが… 気流はまあまあでしたが、透明度が悪かったのと気が乗らなかったので(←これ意外と大事です)撮影はやめました~。

 次の好気流は12月24日の夜半過ぎと12月29日の深夜にやってきそうですが、雲量が多すぎて撮影はできなさそうです。ま、予報はあくまで予報なのでそれに惑わされることなく自分の目でたしかめて判断することにしましょう。

0時29分の木星シーイング


12月18日の土星(中央緯度5.78°)

2024年12月20日 | 土星
12月18日に撮影した土星の記録です。

 撮影を開始したのは17時30分からでしたが、16時50分に南中だった土星はやや西寄りの空の高度42°のところにありました。ステラナビで調べたら視直径は17秒を切って16.9秒でした。8~9月は19秒台だったのでだいぶ遠ざかった感がありますね。

 2024年11月13日に環の傾きが本年最大(中央緯度6.42°)になった土星は2025年3月24日の環の消失に向かって環の傾きが徐々に小さくなっています。撮影日の中央緯度は5.78°でしたが1月6日には4°台に、1月24日には3°台になります。

12月18日の土星(光度1.0等、視直径16.9秒、輝面比1.00)

2024/12/18 17h30m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=7150mm (F/30)
Shutter=33.80ms Gain=402 (82%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×5image


↓ こちらはAutostakkert3の Drizzle1.5×でスタックした画像です。

2024/12/18 17h30m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=7150mm (F/30)
Shutter=33.80ms Gain=402 (82%) Duration=60s  Autostakkert3 Drizzle 1.5× 50% De-rotation 60s×5image


 さてさて、地球から見た環の傾きは5.78°ですが、土星の環を照らしている太陽の入射角(太陽から見た中央緯度-赤点の位置 ↓)は 2.53°です。なので環の上に立って太陽を見ると太陽高度が2.53°で、だいたい地球の夕方の日没20分前の太陽と同じ位置に見えるということになります。




 日没後に見える土星は1月に入ると南西の空でを徐々に高度下げていきますが、1月17日~1月19日は金星に大接近するのでもうしばらくウオッチングしていくことにしましょう。

真上に見える満月 観望記録(12/15)

2024年12月16日 | 
昨夜はあいにく小雨が降る天気でしたが「真上に見える満月」を体感することができました。

 小雨が降っていたので月以外は木星も見えない空模様で南中時刻の23時45分は雲が厚くて月がほとんど見えませんでした。で、こちらは月がやや明るくなった23時49分に手持ちで撮影した画像です。

2024/12/15 23h49m35s D810A NIKKOR10.5mm ISO3200 F2.8 1/30sec

 仰角79.9°の満月はホントに真上に見えて感覚的には仰角90°という感じでした。夏至の太陽より約5°ほど高いだけですが、その数値以上のなんとも言えない不思議な感じがしました。

 残念ながら満月でできる短い影は見ることはできませんでしたが、前日の14日は天気が良かったので仰角78.1°の満月で短い影を体験することができました。

2024/12/14 22h54m15s D810A NIKKOR10.5mm ISO1600 F2.8 1/5sec

 来年以降は冬至付近の満月高度は徐々に低くなっていきますが…

 2026年までは12月~1月の満月高度が高い状態なのでウオッチングして見ることにしましょう。


プレアデス星団と14番目の月(12/14)

2024年12月14日 | 
12月14日は未明にプレアデス星団食があるのでウオッチングしてみました~。

 プレアデス星団食と言っても月は満月前日のまん丸お月さんです。3等星の星々が集う昴は14番目の月の近傍ではたして見えるのでしょうか?

 その疑問を確かめるべく空を見上げたのは食が始まる3時間前の0時過ぎ… ふむ、肉眼ではプレアデス星団はまったく見えませんね~。

 で、次は双眼鏡です。おー、これは美しい!双眼鏡では輝面比0.96のお月さんの隣でプレアデス星団がキラキラ光っています。まだ、食の3時間前なので月との離角は満月1個分ほどあります。

 これから月は少しずつプレアデス星団に近づいていきますが、う~む、今宵の天気はよくありません。奥羽山脈を越えてやってくる雪雲が次から次へと流れてきます。

 西空の低空は雪雲で覆われているので、月は間もなく冷たい雲海に沈んで見えなくなってしまいます。その前に月とプレアデス星団の接近を写しておきましょう!

プレアデス星団と14番目の月

 上の写真は双眼鏡で見た時のプレアデス星団と14番目の月を再現するために2枚の画像を合成して作成したものです。人間の目のダイナミックレンジってすごいですよね~。1枚画像ではこのようには写りませんからね。

 で、こちらが合成のための1枚目、プレアデス星団に露出を合わせた画像です。(^^ゞ 

2024/12/14 01h26m43s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f350mm ISO1600 F9 1/15sec

 こちらが月に露出を合わせた2枚目の画像です。

2024/12/14 01h25m28s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f350mm ISO1600 F9 1/640sec

 今回は雲に阻まれプレアデス星団食を見ることができませんでしたが、今回を皮切りに2028年までの長~いプレアデス星団食シーズンが始まるのでこれからチャンスはたくさんあります。

 来年2025年は、3月5日23時(月齢5.1)、8月16日23時(月齢22.3)、11月7日0時(月齢16.6)、12月31日23時(月齢11.1)の4回あります。中でも8月16日は下弦の月に隠されるのでキレイに見えそうですね。(3月5日も良さそうですが高度が低いので条件としてはキビシイです)

 そうそう、今年のふたご群は極大が12月14日10時(JST)なのでそこそこ流れていました。雲がやってくる前に木星と火星も撮影しましたが、気流が悪くてダメダメでした。恒星の瞬きは小さいと思ったのですが撮影して見ないと分からないものですね~。

〈関連ブログ〉
有明の月とプレアデス星団、木星、火星の競演(7/3)

2025年見たい天体現象「月面X」

2024年12月12日 | 「見たい天体現象」
2025年見たい天体現象の第3弾は「何度見てもまた見たくなる月面 X 」です。

 来年の月面Xは、ピーク時刻に月が地平線上に出ている回数が7回あります。その中で好条件で見られる(夜間でピーク時の月高度が高い)のは、ふむ、2回ですかね~。

(注:これまでは月面Xのピーク時刻を天文年鑑の「月のこよみ-太陽の月面余経度と月面緯度」で計算して求めていましたが、今回から「国立天文台→暦象年表→月の自転軸」の Ls値(太陽から見た月面の中点 Xsの月面経度)が92°になる時刻を予想ピークとしています)

月面Xのピーク日時   高度  日没  方位  b値
× 1月 7日(火) 3時21分 -38° 16:33                  
2月 5日(水)17時55分 71°  17:04     -1.05°     
× 3月 7日(金) 7時55分 -18° 17:36      
4月 5日(土)21時03分 52°  18:04  西   +0.50°         
× 5月 5日(月)09時15分 -20° 18:32         
6月 3日(火)20時41分 40°  18:57  西南西 -1.72°         
× 7月 3日(木)07時41分 -48° 19:05     
8月 1日(金) 18時38分 29°  18:48  南南西 -1.41° 
× 8月31日(日) 5時58分 -72° 18:09          
9月29日(月)18時02分 20° 17:24     -0.72°                
× 10月29日(水)7時01分 -62° 16:42   
11月27日(木)20時56分 13° 16:19  西南西 -1.72° 
△ 12月27日(土)11時26分  4°  16:24   
(方位をクリックするとピーク時刻の空の様子が見られます ↑)
(注:上記日時はあくまでも晴れスター的独自予報です。 *b値:月面上で太陽が真上から照らす地点の月面緯度)

φ(.. ) 来年の見え方をまとめるとこんな感じです。
・夜間で条件良く見られる日→2回(4月5日6月3日
・高度は高いけどピーク時刻が薄明中→1回(2月5日
・夜間だけど高度が低い日→1回(11月27日
・薄明中で高度も低い日→2回(8月1日9月29日
・ピーク時刻が月出直後の日→1回(12月27日

 今年は好条件が1回しかなかったのでそれに比べると来年は月面Xの当たり年ですね。これは大いに期待できます!

 さてさて、こちらは毎度おなじみの今年撮影した月面Xフォト アーカイブですが、今年は撮影できたのが1回だけなのですべて1月18日に撮影した月面Xの画像です。(^^ゞ
17時56分撮影 撮影時高度63°(Ls=92.66°、予想ピーク1時間19分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 17:56 EVOSTAR80ED ASI174MM Shutter=0.735ms Gain=265 (66%) 30sec


18時10分撮影 撮影時高度62°(LS=92.55°、予想ピーク1時間05分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:10 μ210 ASI174MM Shutter=1.278ms Gain=352 (88%) 30sec


18時15分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.50°、予想ピーク1時間前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:15 μ210 ASI174MM Shutter=1.211ms Gain=354 (88%) 30sec


18時19分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.47°、予想ピーク時刻の56分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:19 μ210 ASI290MM Shutter=8.182ms Gain=350 (58%) 30sec


18時23分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.44°、予想ピーク時刻52分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:23 μ210 ASI290MM Shutter=2.864ms Gain=327 (54%) 30sec


18時24分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.43°、予想ピーク時刻51分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:24 μ210 ASI290MM Shutter=2.864ms Gain=327 (54%) 30sec

 さて、上記の予想ピーク1時間前の画像をよく見るとすでにX (エックス)の形になっています。このことからピーク時刻が予想時刻より早かったことが分かります。その理由としては1月18日は月面上で太陽が真上から照らす地点が南半球側(b値=月面緯度 -1.52°)だったからだと考えられます。↓

 太陽が真上から照らす地点が南半球側にあるとその分月面X地点までの離角(距離)が近くなるので月面X地点から見る太陽高度はわずかですが高くなっているはずです。そのため月面Xになるピーク時刻が早まると考えられます。

 このことから太陽が真上から照らす地点が北半球側(b値がプラスの場合)にある場合は予想ピークの時刻より遅れてX (エックス)の形になると考えられます。それを検証すべく過去画像からb値がプラスになっている月面Xを探したのですが、b値が1.00以上の画像はありませんでした。

 唯一 b値がプラスだった2021年6月17日(b値+0.40°)の画像を見ると、たしかに予想ピーク40分後でもまだ完全なX (エックス)の形になっていないように見えます。
 2021/6/17 20:33(Ls=91.66°、予想ピーク時刻19時53分の40分後、bs= +0.40°)

2021/6/17 20h33m25s SE200N F5 D810A ISO2000 1/640sec DX
 2021/6/17 21:08(Ls=91.36°、予想ピーク時刻の1時間15分後、bs= +0.40°)

2021/6/17 21h08m14s SE200N ASI290MC Shutter=4.719ms Gain=340 (56%) 50% of 1138flames

 ということで、来年は b値(太陽が真上から照らす地点)によってピーク時間がどのように変化するかを観測していこうと思うのですが…

 そもそも月面Xはどの形をもってピークと言えるのかを定義しないと始まらないですよね~。ま、それも含めてウオッチングしていくことにしましょう!

12月2日の木星(mid-SEB outbreak, Europa & shadow)

2024年12月07日 | 木星
12月2日はかなりの好気流が望める予報だったので期待したが、天気が早く進んだため撮影直前の気象情報では夜半過ぎには雲が来襲する予報に変わってしまった。(天気図→12月2日21時

 それでも、この日は正面にmid-SEB outbreak、そしてエウロパとエウロパの影がSEB outbreakを追いかけるように木星面を通過するので23時00分から撮影を3時間連続で行ってエウロパの木星面通過完全版を…という野望をもって臨んだのだが、撮影開始1時間後にあっけなく曇ってしまい撮影は終了した。

中央に見えている一反木綿のようなものがmid-SEB outbreakです。

2024/12/2 23h05m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA-4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11900mm (F/50) Shutter=22.58ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×3image (photo)



2024/12/2 23h09m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA-4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11900mm (F/50) Shutter=22.58ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×3image (photo)



2024/12/2 23h12m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA-4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11900mm (F/50) Shutter=22.58ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×3image (photo)



2024/12/2 23h30m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA-4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11900mm (F/50) Shutter=22.58ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×3image (photo)

で、こちらが12月2日23時00分から24時03分まで撮影した54imageを繋いだGIFアニメですが…


 いや~、今回は画像処理で苦労しました。De-rotationにはコンポジットしても衛星と衛星の影が横長にならないようにするための「惑星の衛星と影の修正」というオプションがあるのですが、これが思うように機能しなかったので、これをどうするかで時間がかかりました。(こんな感じでした→WinJUPOS

 衛星と影のマスク半径をエウロパの半径(5ピクセル)に合わせると黒縁は無くなるのですが、貼り付けたような不自然さが残るので却下です。結局オプションを外して3枚(3images)だけDe-rotationするという方法にたどりつきました。

 これを解決する適切な方法はあるのかも…ですがWinJUPOSの機能は分からないことがたくさんあるので試行錯誤の連続です。そうそう、分からないといえばレジスタックスも我流でやっていたのでこれを機にまじめに調べてみました。(^^ゞ

 今回はWido OerlemansさんRegistax tutorialを参考にレジスタックスしてみました。この方の処理方法は私の方法とはぜんぜん違うのでこういうアプローチもあるのか~と勉強になりました。

 それも含めての今回の画像処理メモです。↓

画像処理メモメモ φ(.. )
0. AS!3で60秒動画を50%スタック
1. スタック画像のRGBアライメントとRGBバランス補正

2.ウェーブレット処理

3.ステライメージで画像復元

4.ステライメージでシャープ処理

5.WinJUPOSで画像測定→imsファイルに変換

6.WinJUPOSでDe-toration


 12月2日は他の惑星も撮影にチャレンジしましたが海王星と天王星は薄雲があったため導入に失敗!土星と火星は撮影できましたが、火星は木星が曇った後に急いで望遠鏡を向けたのですが1ショット撮ったところで雲におおわれたので単独1枚画像です。正面にキムメリア人の海が見えてます。

12月2日の土星と火星



2024/12/02 18h42m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength==8300mm (F/35)
Shutter=62.74ms Gain=370 (77%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×5images




2024/12/02 24h08m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11900mm (F/50) Shutter=23.66ms Gain=320 (66%) Duration=60s  Autostakkert3 25% of 2838frames Magunitude = -0.5mag  Diameter = 11".8 CM = 218.52° De = 15.51° Ls = 9.94 photo

 さて、明日は土星食ですが、天気はどうでしょうか? 仙台はビミョーなところですが準備だけは万全にしておくことにしましょう。

<12月11日追記>
撮影時の動画「12月2日の木星-土星-火星」

ISS拡大撮影とスターリンク衛星(12/2)

2024年12月04日 | ISS(国際宇宙ステーション)
12月2日の日没後に行ったISS拡大テスト撮影の記録です。

 12月2日のパスは、最大仰角が50°、直距離は540kmなので拡大撮影しても細部まで写すことはできない通過ですが天気が良かったので25mmアイピース+Apollo-cカメラでテスト撮影してみました~。

〈ニュー惑星カメラ ISS拡大撮影 3rdトライアル 〉
・撮影日時:2024年12月2日18時07分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+Apollo-C(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 4,860mm(F16.2、倍率3.24倍)
・露出:Shutter=0.903ms、Gain=260 (54%)
・イベントデータ:最大仰角50°、距離560km、光度 -3.0等
・画像処理(PIPPでセンタリング→AS!3でスタック→レジスタックス6→ステライメージ)

 ピント合わせはいつものバーティノフマスクを使ってベガで行いましたが、ピントは望遠鏡の温度順応が進むにつれて徐々にズレるので直前での再確認が重要なポイントです。

 さて、時刻は通過30分前になりました。撮影開始ポイントのベガとアルタイルの中間地点を目視で確認していると、撮影ポイントから天頂方向に飛行する暗めの人工衛星が見えました。

 と、同時に視野の端っこ(天頂付近)で同じコースを飛行する人工衛星が見えた気がしてふと見上げると、おおー!いっぱい飛んでいます。いや、いっぱいではありません。等間隔に、離角で表すと20°は離れているので視野全体で見えている数は5~6ほどです。

 おー、これはばらけたスターリンク衛星です!天頂付近西から東に次々と通過して行きます。こ~れは千載一遇のチャンスです!スターリンク衛星を拡大撮影できます!

 しかし、拡大撮影で写るのだろうか?スターリンク衛星の光度は北斗七星よりやや暗めです… となると露出は?…と迷っているヒマはありません!ゲインの感度をテキトーに上げて撮影開始です!

 アルビレオ付近で捉えて、東の空まで追いかけて、望遠鏡を西に戻すと次のスターリンクがこっちも撮影してくれ~と言わんばかりのタイミングで現れます。考えるより先に体が反応して再び追尾開始…

 それを5~6回繰り返したところできりがないのでやめました。(笑) 望遠鏡を西に戻したタイミングでゲイン感度を少しずつあげたので適正露出のショットが入っていることを願いつつ、急いでISS撮影の設定に戻して再度バーティノフマスクでピン確認です。

 ふう、ISS通過10分前には準備完了しましたが、通過コースが雲でおおわれています。トホホ… 細い雲がベガからアルタイルにかけて、つまり飛行コースに沿ってそこだけあります。

 結局ファインダーでISSを追尾することはできましたが、クリアな空にならないまま地球の影に入って終了~となりました。ま、しかたないですね。そんな日もあります…

 で、スターリンク衛星ですが、写っていました!
Starlink G6-68 2024年11月14日13時21分(UT) ケープカナベラル空軍基地リフトオフ

2024/12/2 DOB30 + PL25mmmm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength= 4,860mm(F/16.2)
Shutter=0.950ms Gain=379 (78%) 4imageコンポジット


 みごとなブルー色です! これまでもスターリンク衛星を撮影するとスターリンク・ブルーと言われる独特の青色に写ることがありましたが、これが発光源なんですね~。なんとも美しく妖しい輝きです。

2024/5/4 19h53m22s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO2500 f24mm F2.8 5sec(トリミング)

 で、このスターリンク衛星ですが、かなりデカく写っていました。もちろん軌道高度も直距離も違うのでこの日に撮影したISSと比べても正確なことは分かりませんが、かなり大きめに感じます。



さてさて、本命のISS拡大撮影ですがこちらは雲越しの撮影だったこともあってダメダメでした。

2024/12/2 DOB30 + PL25mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength= 4,860mm (F/16.2)
Shutter=0.950ms Gain=260 (54%) Limit Frames 19235-19294 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×


 ま、今回はスターリンク衛星という思わぬ収穫もあったのでよしとして、ISSは次の機会を待つことにしましょう。そうそう、結論としてアイピースとApollo-Cの組合せでISSを撮影するときは18mmがベストと考えて良さそうですね。

ISS通過図とイベントデータ




〈追記〉
スターリンク衛星・撮影動画